tennis365.net テニス365ブログ 新着記事を読む ]    [ テニス365 ホームショッピングニュースログイン ]

ツヨシ、しっかりしなさい!! テニス侍&ジョグ侍ツヨシです!<記録>フル3'38"58('09.04かすみがうら)ハーフ1'35"50('09.04焼津)10k40'48('09.05葛西臨海公園)

テニス侍
現在の閲覧者数:
最近の記事
茨城県美浦村テニス合…
07/31 20:15
路傍の石
06/26 11:48
イランカラプテ
05/29 01:11
記憶
05/22 23:56
スーパヴァーム
04/30 09:34
風は味方
03/31 19:18
仕事のこと
02/29 18:17
錦織選手の大活躍が始…
01/30 23:29
サントリー響12年
12/30 23:01
打ち上げで筋肉修復?…
11/30 23:00
江戸川区秋季区民大会
10/30 18:55
秋の夜長
09/30 18:42
毎日の暮らし
08/31 22:53
ダイエット願望
07/31 22:53
忙しい日々を楽しむ
06/30 23:50
今日、明日
05/31 23:22
ブッダのおしえ
04/29 22:30
大地震
03/19 00:27
カブ
03/07 23:26
春が近い
02/28 20:37

首尾一貫感覚

最近およそ毎週末、渋谷の道玄坂にある研修施設に通って、
ゼミナールを受けています。今日明日もそうですが、
講師1名に受講生10名、毎週あらかじめ与えられた課題に
ついて話し合い、グループとして1つの意見をまとめていきます。
その予習準備もやや大変ですが、学生時代に戻った感じで
懐かしい気がしますね。
ゼミは男女同数ですが、男性がどっちかというと色々な方向に
議論を展開しよう(格好つけよう?!)として収拾不能に陥る
傾向があるのに対し、女性はまずは確実に文章に落とし込み、
早目にまとめていきましょう、というような堅実な姿勢を見せる
方が多くて、何だか面白いなーと思っています。
研修は来月下旬まで続き、最後は記述試験もあるので、もう少し
頑張ります!

さて最近仕事に関連して読んだメンタルヘルス関連の本に、
なるほど~と思える部分があり、簡単にご紹介します。

皆さんは「首尾一貫感覚」って聞いたことがありますか?
先の大戦下でナチスに強制連行されたユダヤ人の方々の、
収容中と幸いにも解放された後の精神状況を研究し、
そんな過酷で絶望的な状況下にあっても精神の安定と健康を
強く保ってきた方たちは、いったいどんな性質・素養を
もっているのか、その結論がこの「首尾一貫感覚」なのだそうです。

アントノフスキーさんという社会学者の「健康生成論」という
研究では、強制収容所から解放されたユダヤ人たちのおよそ
3割が、この「首尾一貫感覚」を得てその後も精神的健康を
保っていたそうです。

具体的には以下3つの要素から成っています。

①把握可能感
 どんなものでも原因があって結果がある、その一連の事態を
 理論的に秩序立って理解し、説明できること。換言すれば
 突然起こった出来事に対しても、なぜそれらが起こるのか、
 今後はどのように推移するか予測できること。

②対処可能感
 そんな突然の出来事にも、自分は様々な形で取り組み、必要な
 限りで挑戦して、適切に処理できる能力があると考えられること。
 「なぜ自分ばかりがこんな目に・・」とか「どうせダメ」と
 思うのではなく、「何とかなるぞ」と思えること。

③有意味感
 何に対しても、自分にとって意味のあるものなのだと考え
 られること。「無駄」や「疲れるだけ」と考えがちなことでも
 自分の力を投入し、時間を費やし関わる価値のある、歓迎すべき
 一つの挑戦である、と思って全力を傾け最善を尽くせること。

例えば「親しい人との死や別れ」「難しい病気にり患したり、
事故に遭うこと」「失業」などといったとても不幸な事態に直面
してしまったときには、この「首尾一貫感覚」をもって、いったん
冷静に考えられると良いのでしょうね。

しかし、尖閣諸島について私たちの政府が取った一連の
外交対応には、しばしひどい絶望感に襲われますね・・。
私はちょうどこの「首尾一貫感覚」で考え、気を紛らわしたり
しています。
| 投稿者 テニス侍 00:24 | コメント(0)| トラックバック(0)

動的平衡

今日は暑いですね。朝からテニスサークルの練習に参加、
気持ちよく汗を流してきました。
夕方もランニングクラブで5千の記録会。前回昨年12月の
記録(21分5秒)をどのくらい更新できるか、あと内容も
前半できるだけ我慢して後半ペースアップできるかたちに
したいと思います。

さて今週読んだ本でとても面白かったのが、生物学者の
福岡伸一さんが2月に出したベストセラー「動的平衡」です。
著者は生粋の科学者でありながら、その冒頭から「生命」と「技術」
(バイオ-テクノロジー)はあまりよく馴染まず相性が悪い、
生命現象はテクノロジーの対象とはなり難い、と断言する。

それではいったい「生命」とは何なのか?
誰もが知りたいと願うその答えを探る"keyword"がまさに
表題である「動的平衡」なのだ、と主張しています。

「生体を構成している分子は、すべて高速で分解され、食物で
摂取した分子と置き換えられている。身体のあらゆる組織や
細胞の中身はこうして常に作り変えられ、更新され続けている
のである。

だから、私たちの身体は分子的な実体としては、数か月前の
自分とはまったく別物になっている。分子は環境からやってきて、
一時、淀みとしての私たちを作り出し、次の瞬間にはまた
環境へと解き放たれていく。

つまり、環境は常に私たちの身体の中を通り抜けている。いや、
『通り抜ける』という表現も正確ではない。なぜなら、そこには
分子が『通り過ぎる』べき容れ物があったわけではなく、
ここで容れ物と呼んでいる私たちの身体自体も『通り過ぎつつある』
分子が、一時的に形作っているにすぎないからである。

つまり、そこにあるのは、流れそのものでしかない。その流れの
中で、私たちの身体は変わりつつ、かろうじて一定の方向を
保っている。その流れ自体が『生きている』ということなので
ある。シェーンハイマーは、この生命の特異的なありように
『動的平衡』という素敵な名前をつけた。

ここで私たちは改めて『生命とは何か?』という問いに答える
ことができる。『生命とは動的な平衡状態にあるシステムである』
という回答である。

そして、ここにはもう一つの重要な啓示がある。それは可変的で
サスティナブル(持続性)を特徴とする生命というシステムは、
その物質的構造基盤、つまり構成分子そのものに依存している
のではなく、その流れがもたらす『効果』であるということだ。
生命現象とは構造ではなく、効果なのである。

サスティナブルであることを考えるとき、これは多くのことを
示唆してくれる。サスティナブルなものは常に動いている。
その動きは『流れ』、もしくは環境との大循環の輪の中にある。
サスティナブルは流れながらも、環境との間に一定の平衡状態を
保っている。

一輪車に乗ってバランスを保つときのように、むしろ小刻みに
動いているからこそ、平衡を維持できるのだ。サスティナブルは
動きながら常に分解と再生を繰り返し、自分を作り替えている。
それゆえに環境の変化に適応でき、また自分の傷を癒すことが
できる。

このように考えると、サスティナブルであることとは、何かを
物質的・制度的に保存したり、死守したりすることではない
のがおのずと知れる。サスティナブルなものは、一見、不変の
ように見えて、実は常に動きながら平衡を保ち、かつわずか
ながら変化し続けている。その軌跡と運動のあり方を、ずっと
後になって『進化』と呼べることに、私たちは気づくのだ。
(中略)

生命、自然、環境・・そこで生起する、すべての現象の核心を
解くキーワード、それが《動的平衡》だと私は思う。間断なく
流れながら、精妙なバランスを保つもの。絶え間なく壊すこと
以外に、そして常に作り直すこと以外に、損なわれないように
する方法はない。生命は、そのようなありかたとふるまいかたを
選びとった。それが動的平衡である。」

福岡伸一「動的平衡」株式会社木楽舎刊

著者によると全ての生物は、分子が通り過ぎゆく容れ物
ですらなく、分解と再構成を繰り返す流れの中での、ほんの
一形態にしか過ぎないという。そうであればなお、
その死まで揺れ動き変化しつづける私たちは、よりよく
成長できる可能性に満ちている、と言えます。

サスティナブルな身体が、ピエロのごとく平行台の上で、
あるいは一輪車に乗って震えながらバランスを取り、
間断なく破壊と再生をしてくれている。望むように生きるために。




| 投稿者 テニス侍 15:06 | コメント(0)| トラックバック(0)

「夜想曲集」

しっかり降る雨でしたが、ようやく小降りになってきました。
夜3時間ダブルス練習があるのでコート使えると良いのですが。
さて明日からはウインブルドンが始まります!ナダルがひざの
ケガで辞退したのが残念ですが・・。芝を得意とするフェデラー
軸に、急成長している若手選手が挑んでかなり拮抗した試合
内容となると思います。また2週間、多くの熱戦を観ることが
できすごく楽しみです!

先週、カズオ・イシグロ最新刊「夜想曲集」を読みました。
これまでの長編のように大きなストーリーに巻き込まれる
ある種の快感はないものの、ある出来事ある日常の一瞬に
焦点を当て鋭利に切り取ってみせる短編ならではの迫力が
あり、読み応え十分でした。

副題どおり「音楽と夕暮れをめぐる」5つの短編から構成
された興味深い小話集なのですが、ショパンの夜想曲から
容易に想像される静かで物憂く内省的なものばかりではなく、
ユーモアやドタバタ劇などもあって一筋縄ではいきません。
しかしその通奏低音には、常に首尾よく収まることのない
私たち人の切ない生き様を、そっと優しく抱きとめる眼差しが
あるのだ、と思います。

例えば第一篇「老歌手」で、プロの歌手ガードナーが観光広場の
バンドでギターを弾く私に、演奏の秘密を伝授するこんな
くだりに目がとまります。

「突然、『一つ秘密を教えよう』とガードナーが言った。
『ちょっとした演奏のこつだ。プロからプロへの秘密伝授と
いうところだが、実際は単純なことだ。それはな、聴衆の
ことを何か知っておけ、ということだ。何でもいい。
今日の客は昨日とどう違うか、自分の心で納得できること
なら何でもいい。たとえば、ミルウォーキーにいるとする。
自分に問いかけるんだ。何が違う。ミルウォーキーの客と
昨夜のマディソンの客の違いは何だ。何も思いつかない?
だったら考えろ。思いつくまで考えろ。ミルウォーキー、
ミルウォーキー・・・。ミルウォーキーはいい豚肉を
産することで名高い。うん、これでいい。舞台にでたら、
それを使え。客には何も言う必要はない。ただ、歌うときに、
それを心にとどめておくことが重要なんだ。目の前に
すわる客は、うまい豚肉を食っている人々だ。豚肉に
関しては一家言ある・・・。わしの言うことがわかるかな。
そう思うことで、聴衆への手触りが生まれる。面と向かって
歌ってやれる誰かになる。それがわしの秘密だ。
プロからプロへ、これを伝授しよう。』」

「夜想曲集」カズオ・イシグロ著 早川書房

栄光や希望、夢や野心にあふれていたはずの私たちの未来を、
圧倒的な現実が無慈悲に刈り取り、過去へと収穫していく。
それでもなお、稀に訪れる率直な人との出会いや心震わせる
一回性の出来事は感動を呼び、瞳を閏わせる。
人生はまだまだ信じられるし美しさに満ちている。
そう思わせてくれる一冊でした。
| 投稿者 テニス侍 16:02 | コメント(0)| トラックバック(0)

ジュンパ・ラヒリ

こんばんは。関東は台風が近づいていますね。明日午前中までは
大雨になりそう。。
最近は日が沈むのもどんどん早くなっているし、朝晩はめっきり涼しく
なっていて、秋本番という感じがします。

過ごしやすい日が続いていたので、ジョグ距離も快調に目標のペースを
刻んでいますが、その順調なトレーニングのおかげで食欲もたくさん
あって、体重管理が思うように進んでいません・・。
今日はたまたま毎年恒例の人間ドッグ、注目の体脂肪率はどうかな~
と恐る恐る結果を見せてもらったら・・「19%」となっていました!
まずは大台の20を切って一安心ですが、このシーズンにあと2~3%
くらいは落としたいですね。。

先日ランニングクラブSWACの練習後、会員さん定例の飲み会に
お誘いいただき、多くのメンバーと初めてたくさん話ができました。
またクラブの比嘉コーチともしばらくお話させていただき、レース
でのペース配分だとか、ムリなく楽なフォーム作りなど、ランニング
の話は尽きないまますぐに時間切れとなってしまいとても残念。。
是非また次の機会にも聞かせてほしいです。
またこういった会合で各自それぞれの目標レースやタイム、悩み
などを話して教えあったり、全然関係のないバカ話で笑ったり
するのも、また明日から頑張ろうかな!と思えたりするので、
孤独で退屈になりがちなランニングですが、こういったことも
チームに所属して練習する大きなメリットの一つだと思います。

さて今週また面白い本を読みました!デビュー短編集「停電の
夜に」にてピューリツアー賞を拝したジュンパ・ラヒリの新作で、
短編集第二作となる「見知らぬ場所」です。インドベンガル地方の
出身でアメリカ国籍の女性作家なのですが、観察者としてあくまでも
静かな語り口に徹する作者の正確な筆致は、まるで早朝の波長の
長い太陽光のごとく私たちの心の深奥まで過不足なくきっちりと、
しかも温かく描き出すことに成功しています。

私たちの生きる世界は無限に広い反面、私たち自身の普段の生活は
一見地味で平凡な毎日がどこまでも続くように思えます。
はかない願望と落胆、希望的な信頼と思いがけない裏切が、
網目のように無数に交差する日々。
そういった普通の人々の、何の変哲もない暮らしを穏やかに見つめ、
誰にでも起こりうる日常の些事やちょっとした悲喜劇を、優しい
眼差しで取り上げた、ごくごく「小さな」物語の数々。大げさな
ストーリも声高な主張もないラヒリの静かな「小」説は、しみじみと
私たちに、生きるうえでの大切な何かを捧げ、提示してくれている
のだと思う。
ちょうど、耳をつんざく無配慮な大声よりも、か細くも真摯な
ささやきの方が、心によく届き理解されるのと同じように。

そしてまた、いろいろなことがあるにしても、「言葉を信じたい」
久しぶりにそんな気にさせてくれる貴重な一冊でした。おススメです!!

今週末は30キロ距離走と、ダブルス2時間の予定。あとWOWOWで
今週連夜特集していたエリック・ロメールの映画シリーズを観ます!
ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:33 | コメント(2)| トラックバック(0)

「待つ」ということ

こんばんは。今日は曇り空から時おり小雨が降り落ちる、湿っぽい
一日でした。夏も終わりつつありますが、太陽が出るとまだまだ
暑くて汗だくになってしまいます。夜も寝苦しい日もあって、
体調を崩しやすい時期かもしれませんね、気をつけましょう~。

今日は職場の飲み会があったため、ランニングは完全休養。
昨日走った後、古傷の右足首に少し痛みが出たので、ちょうど
良い休息になりました。今月から月250キロの目標で走りこむ
つもり、明日からまた積み重ねていきたいと思います。

さて全米もとうとう準決勝に進んできましたね。錦織くんが
フェレールにフルセットで勝ちベスト16まできたのも大きな
ニュースでした。月末の有明AIGオープンにも出場予定だそう
ですので、元気な姿をまた見せてほしいと思っています!


今週ある雑誌の書評から面白そうだと思って手に取ったのが、
臨床哲学者の鷲田清一さんが書いた「『待つ』ということ」
という本です。私は性格上せっかちで「待つ」ことがかなり苦手、
自分から迎えに行くほうが気楽なんですよね~。昔から、まんじり
ともせずじっくり待てる人はスゴイ!と思っていました。

この本を読み「待つ」という行為を改めて考え直してみると、、
私たちが成熟するために「待つ」ことはとても大切な要素なのでは
ないか、と思えたので、以下少しだけご紹介しますね。

「待つということにはどこか、年輪を重ねてようやく、といった
ところがありそうだ。痛い想いをいっぱいして、どうすることも
できなくて、時間が経つのをじっと息を殺して待って、じぶんを
空白にしてただ待って、そしてようやくそれをときには忘れることも
できるようになってはじめて、時が解決してくれたと言いうるような
ことも起こって、でもやはり思っていたようにはならなくて、
それであらためて、独りではとうにもならないことと思い定めて、
何かにとはなく祈りながら何事にも期待をかけないようにする、
そんな情けない癖もしっかりついて、でもじっと見るともなく
見つづけることだけは放棄しないで、そのうちじっと見ているだけの
じぶんが哀れになって、瞼を伏せて、やがてここにいるということ
じたいが苦痛になって、それでもじぶんの存在を消すことはできないで・・。
そんな想いを澱のようにため込むなかで、ひとはようやく『待つこと
なく待つ』という姿勢を身につけるのかもしれない。
年輪とはそういうことかとおもう。

意のままにならないもの、偶然に翻弄されるもの、じぶんを超えたもの、
じぶんの力ではどうにもならないもの、それに対してはただ受け身で
いるしかないもの、いたずらに動くことなくただそこにじっとして
いるしかないもの。そういうものにふれてしまい、それでも『期待』や
『希い』や『祈り』を込めなおし、幾度となくくりかえされるそれへの
断念のなかでもそれを手放すことなくいること、おそらくはそこに、
<待つ>ということがなりたつ。
(中略)

死の訪れを静かに待つひと、恋文の返事をじりじりと待つひと、バスの
到着をいまかいまかと待つひと、合格発表を心細く待つひと、故国へ
帰還する日を心待ちにするひと、刑期明けを指折り数えて待つ囚人、
犯行少年の更生をじっと見守るひと、一年間一日も欠かさず張り込みを
した刑事、ウエイター、棋士、釣り師といった文字どおり<待つ>を
仕事にするひと・・。そして、そのひとたちがたぶん例外なしにくぐり
抜けてきた<待つ>のさまざまな局面。待ちこがれ、待ちかまえ、
待ちわび、待ち遠しくて、待ち伏せ、待ちかね、待ちあぐね、待ち
くたびれて、ときに待ちきれなく、ときに待ち明かし、待ちつくし、
やがて待ちおおせぬまま・・。<待つ>のその時間に発酵した何か、
ついに待ちぼうけをくらうだけに終わっても、それによって待ちびとは、
<意味>を超えた場所に出る、その可能性に触れたはずだ。」

鷲田清一「『待つ』ということ」角川選書

期待や希い、祈りを込めながら、時が満ち、機が熟すのを「待つ」
というのは、実は比類なく豊潤な時間であるのかもしれない、と
思いました。ゆったりと焦らず、結果を急がずに楽しみつつ
『待つことなく待』てるようにいつかなりたいものですね。

それでは、もうすぐ週末ですね!おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 01:36 | コメント(0)| トラックバック(0)

メロスたちの夏

こんばんは。今週もボーとしているとすぐに週末となってしまい
ました~。特に今週は全米オープンが始まっていて、連夜の熱戦に
ついつい寝不足の毎日。。
ご存じ期待の錦織選手はきのう3回戦進出を決めましたね!
1回戦はシード選手のモナコに完璧な勝利、2回戦の相手は
クロアチアのランク100位ほどの選手、最後は少々お付き合い
ミスをしながらも、歴然とした力の差を見せつけていました、
本当強くなったね~。3回戦の相手は世界4位のフェレール選手
で、去年の有明AIGオープン前夜祭にてエキシビジョンマッチを
戦い、結果4ゲームオールだったと思います。
どちらの選手もストローク力が特に優れ、質の高いラリー戦を
見ることができるでしょう、楽しみです!!休日も深夜まで眠れ
ませんね。負けず嫌いフェデラーの5連覇か、それとも新チャンプの
ナダルがフレンチからのGS連勝を続けるのか、今年の全米も
目が離せない2週間となっています。

そして日曜日の正午には、晩夏の札幌市街を走る注目の大イベント
「北海道マラソン」がスタートします。ランニングクラブSWAC
からはトップ選手の吉田香織さんと、30人ほどの会員が出場すると
いうことで、普段の練習から一緒に走っているメンバーそれぞれが
納得のいく走りを出せるよう、TVで応援するつもりです。
天気は晴れ、気温27℃と少し高めの予報です、みんな飛ばしすぎ
ないように笑顔でゴールして欲しいと思います。

そういえば最近は、新しく借りた事務所の近くでお昼を食べる
ことが多いのですが、1軒お気に入りの店ができ既に何度も通って
いるんですよ。事務所から歩いて1分足らずのお店の名は
「嘉門」さん、こだわりの日本酒を出す小さな飲み屋さんが昼時も
営業している様子でして、11時半から午後1時まで、親父さん
一人で切り盛りしています。日替わりの和食メニューは写真の
ように筆で書かれて店の前に貼り出され、その1種類しか選べ
ません。まず何よりもご飯が粘り強くてモチモチと美味しく、
味噌汁もダシが香り高くて、さらに漬け物も申し分ありません。
12時過ぎに行くともう長蛇の列をなしているような人気店ですが、
そういった評価もよく頷けます。ごく質素ながら清潔で感じの良い
お店ですので、おススメですよ!


さて最後に今週読んだランニング関連の新刊をご紹介します~!
タイトルは「メロスたちの夏」というもので、ウルトラマラソンを
何十回と走られたベテランランナー夜久 弘さんが、27年前
マンガ誌の編集者時代、極めて不健康な生活を改めようと
ランニングを始めたころからの自分史が刻まれています。
その中で、あるウルトラマラソンで知り合ったタレントの西村知美
さんがふと口にされた言葉に心を動かされた箇所が特に印象に
残ります。

「『みなさんは100kmを日帰りで走られるのですね。すごいなあ』

その年の夏、西村さんはテレビの企画で100kmに挑戦していた。
走ることを普段の生活には取り入れていない華奢なタレントに
とって、その『仕事』がどれほどの苦痛を伴ったかは容易に想像
できる。20数時間をかけ、日付を越えて100kmを移動する
行為はまさに苦行だっただろう。その西村さんの目の前にいるのは、
同じ距離を走るために仕事ではなく『走りたくて』集まった千人もの
集団だったのだ。ランナーたちの嬉々とした表情、そこに渦巻いて
いる熱気、それは掛け値なしに『すごいなあ』だったのだ。

ぼくが西村さんの挨拶でハッとさせられたのは『日帰り』という
言葉だった。彼女は単に自分が走った100kmと比べて所要
時間(制限時間)が短いことを言ったのかもしれない。けれども、
ぼくには『日帰り』が『日帰り旅行』の意味に聞こえた。そして、
そう捉えたことですんなりと頭の中に入ってきた。100kmの
ウルトラマラソンは『走る日帰り旅行』なのだと目からボロリと
うろこが落ちた。

宿泊を伴う旅行には目的地に向かう楽しさと目的地での楽しさが
ある。日帰り旅行にも同様の楽しさがあるにしても、圧倒的に
占める割合は、移動している時間である。その行程をエンジョイ
しなければ、日帰り旅行の魅力は半減してしまう。その伝で言えば、
ウルトラマラソンの場合は目的地(ゴール)に向かう行程そのもの
で成立している、まさに究極の日帰り旅行である。しかもその
移動手段は電車やバスによって運ばれるのではなく、自前の脚
という動力で、自身で決めたスピードなのだ。純度100パーセント
の手作り日帰り旅行みたいなものだ。

何十回とウルトラを経験し、ときベテランの100kmランナー
と呼ばれるぼくではあるけれども、走っていてイヤになることは
しばしばあった。中盤を過ぎ、脚力の衰えた脚ではなかなか距離が
消化できない。そんなとき、ついついグチがこぼれた。

『ゴールはまだか』『早くゴールにたどり着いて解放されたい』

日帰り旅行のもっとも楽しむべき位置にいて、それを放棄しようと
していたのだと教えられた。そのとき、その場所を走っている
ことを楽しめばいい、その結果がゴールに結びつくのだとわかった。
(中略)

16度『サロマ湖100kmウルトラマラソン』の舞台に立った。
スタート地点の自分はいつも同じだった。完走を目指して走り出す、
ただそれだけのことだった。実にシンプルだ。けれども、経過も
結果もすべてが違った。同じレースなどひとつもなかった。
そのありようが人生に思えた。人生は一度だけれども、人生を
仮託したウルトラマラソンならば、参加した数だけ異なった人生が
味わえる。なんとぜいたくなイベントであることか。」

夜久 弘「メロスたちの夏」ランナーズ刊

マラソンレースに人生を仮託すると、レースの数だけ異なった
人生を味わえる・・。フルも、そしてもちろんウルトラもいまだ
未経験の私ですが、大先輩からこんな言葉を頂くと、ぜひとも早く
味わってみたい!と思ってしまいました。そしてレースに限らず、
私たちのふだんの生活においても、今まさにこの瞬間こそが
「日帰り旅行のもっとも楽しむべき位置」にいるのだ、と思えると
いいですね。いつも性急な結果を求めがちな私の、自省をこめて。


ではまた、明日午前は久し振り皇居ランです。楽しみま~す!!
| 投稿者 テニス侍 23:29 | コメント(0)| トラックバック(0)

「日本でいちばん大切にしたい会社」

こんばんは。太陽が顔を出さない日中でしたが湿気が強く、少し
歩くと汗が噴き出してしまいました。最近は夜遅くなることが多くて、
先週などは平日ランがゼロ、、ジョグノートも思ったより進みません。
思い切って朝型生活に・・、って去年も同じことを書いていましたね。

夜は7時からセカンドウインドACのランニング教室に参加。
キロ4分のスピード練習を初めて行いました。やはり最後で呼吸は
苦しくなるものの、久しぶりに夜の重たい空気を切り裂いて進む
感じがまた心地よかった~。そうそうSWACといえば来週末は
長野菅平でマラソン合宿があります!テニス合宿は何度も参加して
ますが、いったいどんなものなのか?!メンバーも60人ほど集まる
そうなので、1泊ですがとても楽しみにしています!

さて先週、高田馬場の書店でふと手にとった本が、また素晴らしい
本だったので、ちょっとご紹介したいと思います。これまでに
全国6000社を超える中小企業を訪問し、正しい経営というものを
研究してきた大学の先生が書いたものです。
法人登記したばかりの私にとってまさに目からウロコ、生涯忘れない
ように何度も読み返したいと思いました。以下、最も伝えたい
テーマであろう箇所をご案内します。

「会社の社会的貢献とは、お客さまにとって、社員にとって、
そして地域にとって存在価値のある、なくてはならない会社に
なることです。地域社会に住んでいる方々が幸せを感じられる
ような存在になる使命と責任が、会社にはあるのです。

具体的にいえば、地域社会の方々から、『あの会社は私たちの
町のシンボルだ』『この会社はわが町の自慢だ』『この会社に
こそ、息子や娘を入社させたい』と思われるような会社になる
ことです。地域住民にとって誇りのような会社になることです。

『地域のため』というと、多くの会社は『メセナがどうだ』とか
『フィランソロピーがどうだ』ということをよく考えます。
あるいは立派な建物を建てたり、寄付などの金銭的なことが
社会貢献だと考える人々もいます。

しかしいちばん大切なことは、経営を通じての、企業市民としての
日常的な活動だと思います。

ある程度、物質的な豊かさを手に入れた今の人々は、会社に対して、
雇用や生産を通じた貢献だけではなく、心に響くようなことを
期待しているからです。そのような使命や責任を果たそうと努力
している会社こそ、今や高く評価され、多くの人々にその価値ある
経営が伝えられていくのです。

地域社会や地域住民の幸せを中心に据えた経営を行えば、それは
必ず、人々の心に響きます。そこから感動の連鎖が生まれ、
すべての人々が幸せになるのではないでしょうか。
(中略)

今、会社でいちばん大切なものは、お金ではありません。
お腹が満たされたあとは、心です。地域社会や地域住民、お客様や
下請企業、社員や株主の心に響く経営をしている会社、心が
満たされるような経営をしている会社、それがいちばん大切に
したい会社なのです。」

坂本 光司「日本でいちばん大切にしたい会社」あさ出版

「会社はいったい何のためにあるの」
この問いを一生考えつつ、自分としての答えを、日々の経営のなかで
表現していく以外ないのだと思いました。

それではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 00:01 | コメント(6)| トラックバック(0)

廃墟の上でダンス

こんばんは。今週はお天気もそれほど大きく崩れないようですね。
特に週末は気になりますが・・。東京も今日は穏やかな陽気で
過ごしやすい一日でした。昨日夜、久しぶりに札幌の兄に電話した
ところ北海道も最近なぜかすごく暖かいらしく、今日などは
最高気温23℃!!と東京より高いそうです。気象もどこか
おかしくなっているのですね。。

さてこの前の土曜の朝、仕事で東京大田区の下丸子というところに
行ってきました。ちなみにこの駅自体は東急線のこじんまりとした
駅なんですが、近くにはあのお馴染み「キヤノン」本社がある
ところなんですよ。でちょっと約束の時間までヒマがあったので、
去年秋ごろ駅前にできたという「コメダ珈琲店」に初めて入って
みました。この喫茶店、知る人ぞ知る名古屋発のチェーン店で、
東京初出店がこの下丸子店だそうです。ここのウリは、ふつうの
コーヒーを頼むと午前11時までなんですが、なんとトーストと
ゆで卵が無料サービスで付いてくること!!ボリュームたっぷり
です!なんでも人口当たりの喫茶店数が最も多いのは岐阜と愛知
だそうで、この地域はとても合理的な考え方をされる風土らしく、
特に中小企業経営者は社内に無駄な面談スペースなど設けず、
ちょっと出掛けて外の喫茶店で商談をしてきた歴史があるそう
なのですね~。
それに中小の工場は昔から織機や旋盤など比較的大きな音の出る
機械が多くて、話しづらかったせいもあるそうです。こんな話は
たまたまお邪魔したお客さんの奥様が愛知ご出身で、私がコメダ
さんに行ったと言うとそんな話をしてくれたのですが、最後に
「でも農家の人たちも、手が空くと老若男女みんな喫茶店に
たむろしてくるんですよ、きっと話をするのが何より好きなんです
よね~!」とのことです・・。
そうか~、気の許せる友人や仲間たちとゆったり気ままに話す
ことは、本当に楽しく満足感のあることですものね。このコメダ
珈琲店、コーヒーの味も本格的で美味しく、食事メニューもまるで
ファミレスのように豊富でしたので、お近くの方はぜひ一度
のぞいてみてください。

さて週末読んだ本は、ロシア連邦西南の小国チェチェンで生まれ
育った79年生まれの女性ジャーナリストが、ロシア軍からの
執拗な攻撃で廃墟と化してしまった祖国の悲惨な状況を冷静に
綴った実話です。帝国主義大国が、圧倒的な軍事力を背景に、
独自の歴史を有する民族を弾圧して独立を妨害する図式はチベットや
内モンゴルと同様ですが、ロシアでも報道も厳しく統制されていて、
反体制ジャーナリストがこの数年だけでも数百人単位で暗殺
(または不可思議な事故や行方不明)されており、この若い著者
ミラーナはこの本を発表しただけでも死の覚悟だったろうと思います。

まずは95年1月の第一次紛争で首都グローズヌイを占拠し、
周辺の村々でも軍による大虐殺が繰り返された際、チェチェン人の
民兵が一般の人々を守ろうと立ち上がった描写のところをご紹介
したいと思います。

「村には少しずつレジスタンスが入り込んできて、村を守ろうと
してくれた。戦闘員の多くはとても若く、祖母などは泣きながら
彼らを抱きしめずにはいられなかったほどだ。ほかの人のように
逃げることもできたのに、よそで生きることも、勉強を続ける
ことも、仕事を見つけることも、そして家族を持つこともできた
だろうに、彼らはそうしなかった。そうしたからといって誰が
とがめるわけでもない。それなのに、彼らは私たちのために、
私たちの家のために、私たちの自由のために戦うことを選んだ。
だから、最近になって安全な国にいる人々が彼らのことをテロリスト
呼ばわりしたり、ロシア兵と一緒くたにしてどっちもどっちだ
と言うのを聞くと、どうにも腹が立ってたまらない。

私は彼らが真剣な顔で、あるいは微笑みながら死に立ち向かう姿を
この目で見た。たしかに熱狂に身を任せ、常軌を逸した卑劣な
行為に走った者もいる。けれど、レジスタンスの圧倒的多数は
私たち市民を救うために戦ったのだ。いや、いまもなお戦っている。
オレホヴォやグローズヌイで出会ったあの戦闘員たちの顔を、
私は決して忘れない。彼らには墓もレクイエムもない。彼らは
讃辞を求めるでも、憤りを口にするでもなく、文字どおりなんの
見返りも求めずに死んでいったのだ。
だから、せめて侮辱しないでほしい。」

私たちはチェチェン問題というと、ロシアの公式発表や2002年の
モスクワ劇場占拠などを基にして、イスラム過激派が主導する
テロリストだという誤解をしていることが多いですが、少し事情を
知るだけでそんな単純な問題ではあり得ないことがよくわかります。
多くの無垢なレジスタンスの死の前で、「知らないでいること」は
侮辱することと同義なのかもしれません。

また著者ミラーナが2005年、パリ政治学院で学んでいた際に
あのポーランドのアウシュヴィッツ収容所を見学する機会があり、
その場でこの収容所の生き残りである男性のバロンさんと、
ルワンダ大虐殺を奇跡的に生き延びたツチ族女性のアニックさんが
話し込んでいるその内容に耳を傾けたくだりが特に印象的でしたので
ぜひご紹介したいと思います。

「つまりルワンダで生存者が続けている儀式と同じなんですね。
殺された近親者の名前を延々と唱えつづける儀式なんです。
だって、彼らのことを忘れたりしたら、それはもう一度殺すような
ものですものね。でも、十年たってもまだむなしさを受け入れる
ことができなくて・・。このむなしさを、いつかは受け入れられる
ものなんでしょうか?」

「いや、そのむなしさから逃れることはできませんよ。私はこの
収容所を出てからもう何十年にもなりますが、じつはいまだに
誰にも言えずにいることがたくさんあるんです。言葉にならない
からではなく、たとえ言葉にしても、誰にも本当のところは
わかってもらえないからです。体験した者にしかわからないことが
あるんです。だから、いまだってあのときと同じように、いや、
むしろあのとき以上に苦しいんです。でも、そうやって生きて
いくしかありません。一生ね。あなたもその苦しみを乗りこえる
ことはできないでしょう。乗りこえるのではなく、かかえて生きて
いくしかないんですよ」

「でもこのままだと、憎しみや怒りに救いをもとめてしまいそう
なんです。いつでも体のなかに怒りをかかえている感じがして・・。
あなたはどうしてそんなに穏やかに、落ち着いていられるんです?」

「私も闘っています。憎しみを感じなくなったわけではありません。
いまでも憎しみでいっぱいですよ。時間がたてば赦せるようになると
いった問題ではありませんからね。あの死者たちの名にかけて、
赦すことはできません。大事なのはその憎しみを生きる力に変える
ことです。憎しみに身をゆだねてしまうのではなくてね」

ミラーナ・テルローヴァ『廃墟の上でダンス』ポプラ社

『憎しみに身をゆだねるのではなく、その苦しみを抱えながら
生きる力に変える』。60年もの長い間、自問を繰り返した
バロンさんが、誰にも言えないほどのたくさんの苦しみを抱えつつ
教えてくれた言葉は何よりも重いと思います。今回の争いで
また多くの憎しみと悲しみに打ちひしがれたチェチェンの
人々は今、ロシア支持の大統領カディーロフのもと、何も言えない
恐怖政治と闘い、また絶望と闘っている・・。
最後にパリ留学からチェチェンに帰国されたというミラーナさんの
身の安全を何より祈っています。

それでは、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 01:17 | コメント(2)| トラックバック(0)

昭和維新の朝

こんばんは。昨日から風が強く、春一番だそうですね。。
北海道・東北地方では暴風雪で交通も大変なことになっているようで、
大丈夫でしょうか。私も来週末は北海道の実家へ行きます・・。
今日も4時間テニスの予定でしたが、強風によって残念ながら中止。
お天気にはどうやっても勝てませんよね。それでも昼から、楽しみに
していた横浜国際女子駅伝を観れたのと、借りていた本何冊かを
まとめて読めたので落ち着いた良い休日になりました。

さて先日仕事であの東京ミッドタウンに行ってきました。商談の
あと少しだけ広い庭園に出てみたり、いくつかの店舗を回ってみた
のですが、到るところ質の高さを感じさせ、とても心地よい施設だなー
と感心してしまいました。やはり価格もそれなりなんですけどね。

この六本木の旧防衛庁跡地からある冬の雪の朝、昭和の歴史を色濃く
刻んだある有名な事件が始まったとは、つい最近まで全く知りません
でした・・。

その事件とは、俗にいう二・二六事件のこと。今から遡って72年前、
陸軍急進派(軍幹部の腐敗を指摘し天皇親政を追及する理想主義
一派で、皇道派とも言われます)の青年将校が部下1483名
とともに蜂起、軍事クーデターを企てて同月29日の投降までの
3日間、日本政治の中枢を武力で支配下に置いたものです。

先日読んだ工藤美代子さんの新刊「昭和維新の朝(あした)」は、
その事件の思想的精神的支柱となった陸軍少将予備役斎藤瀏(きよし)
さんと、その娘の歌人・斎藤史(ふみ)さんの、波乱に満ちあふれた
生涯を陰影深く描いた力作。不勉強な私は「若い軍人たちによる
弾薬臭い一事件」と人ごとのごとくわずかな理解しかありません
でしたが、本書でこの事件の示す意味を改めて考えさせられ、
深く感銘を受けましたので少しご紹介したいと思います。

主人公はこの二・二六事件をほう助した罪で逆賊の汚名を受けて
実刑となり、長く牢に繋がれた斎藤瀏。そして彼の娘である史の、
旭川の小学校時代に幼なじみだった青年将校栗原安秀中尉は、
事件の実行首謀者の一人として極刑に処せられてしまいます。
彼ら男たちの叶えられなかった想いを史は歌う。戦後も、
昭和天皇に背いた逆賊の娘として歌を詠み続けたのだったが・・。 

平成5年、85歳になった史は突如宮中晩餐会に招かれ、今上天皇は
彼女にお声を掛けられました。

「お父上は、斎藤瀏さんでしたね。軍人で・・・」 

そのお声を聞いた史は「二・二六事件の叛乱の男です」とは決して
言えずに、「初めは軍人で、おしまいはそうでなくなりまして、
おかしな男でございます」と答えたそうです。  

さらに平成9年1月14日、史が88歳のとき、宮中御歌会始の
召人に選定されました。召人とは、天皇から毎年ただ一人召されて
歌会始の御題を歌う者。その日の朝、宮殿松の間に向かう大きな
階段を前にして彼女は呟きました。

「私はもう一人の人と、今日はこの階段を登っているのよ」と。

その人とは、父瀏(きよし)のことか、それとも幼なじみの栗原中尉の
ことだったのでしょうか。

歌会始の儀式にて、ついに史の歌が宮殿に響き渡りました。

『野の中にすがたゆたけき一樹あり 風も月日も枝に抱(いだ)きて』  

儀式終了ののち控えの間にて、
「実はね、さっきこの階段を昇るとき、向こうの庭に軍服姿の連中が
並んでいるのが見えたのよ」「ああ、これで長い胸の思いが晴れました」
と近くの者にささやいたといいます。この昇殿による和歌が詠まれた
とき、この事件に関わった人々の”長く長く続いた昭和”が、
まさに終わった瞬間なのだと思いました。 

昭和11年(1936年)2月26日の朝、夜半から降りしきる湿った雪を
軍靴で踏みしめ、青年士官栗原中尉とその配下約300名の兵が、
六本木の陸軍歩兵第一連隊から永田町の首相官邸へ整然と向かいました。

天皇ご親政を唱え、知行同一の精神による義戦のつもりが、
逆に昭和天皇から賊軍と断固拒否されて、結果的には極刑に処せ
られることになる彼らのその熱い吐息は、冬の朝の寒空に白濃く
はずみ霞んでいったものと思います。激動の昭和を真摯に生きた
憂国の志士たちの、その無念の想いに思わず胸を熱くしてしまいました。
時は進み平成20年2月、今の日本に生きる私たちが、できること
すべきことはいったい何だろうか・・と、改めて問われた気が
してなりません。


ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 22:43 | コメント(4)| トラックバック(0)

良寛の恋

こんばんは。東京は昨夜半からしんしんと雪になり、夕方まで
降り続くとても寒い日でしたね。今日参加を予定していた
浦安シティマラソンも朝7時半ごろ中止決定、あと青梅マラソンも
早々に中止を決めました。浦安は7千人、青梅は2万人以上の
参加登録があったようで、出場を予定していたランナーは
本当に残念でしたね~。私は左足首の痛みが治まらず、今回は
天候にかかわらず出場しないつもりでいました。次回来月の
レースからは、体調を万全にして臨みたいと思います!

しかしこういった悪い条件のなかでレース経験を積むと、ふつうの
天気のときすごく楽に感じるでしょうね。まずは自分のケガを
早く治してから、練習を再開したいです。

さて静かな雪の日に家でゆっくり読んだのは、近年歴史ノンフィクション
ものに多く力作を輩出されている工藤美代子さんが昨年秋に上梓した
「良寛の恋~炎の女貞心尼」です。
江戸時代、越後の高徳な僧あるいは書家・歌人としてあまりにも有名な
良寛坊に、「恋」や「炎の女」の組み合わせはやや意外に思えますよね。
私が学生のころ、教職必修の教育学の先生がこの良寛の教えを授業で
取り上げたことを少し覚えていて、子どもと手毬やあそびうたなどを
通じて無心に遊ぶ、その純真さこそが誠の仏心である、というもの
だったと記憶しています。

その良寛が70歳のころ、越前国長岡の尼僧貞心と出会う。
24歳で出家した貞心尼はまだ30歳と若く、器量抜群かつ書も歌も
嗜むほど才気活発で、現代でいえば上昇志向の強いキャリア女性という
ところでしょうか。既に全国にその名を轟かせていた憧れの高僧良寛に、
初めて会ったときの感激の一首が残されています。

「君にかく あひ見ることのうれしさも まださめやらぬ 夢かとぞ思ふ」

歌は情感を豊かに強調するのが礼儀とはいえ、恋する女性の生命力を
躊躇なく表わしていて、圧倒されると同時に微笑ましくも感じます。

これに対する良寛の返歌も強く熱い。
「天が下に みつる玉より 黄金より 春のはじめの 君がおとづれ」

しかしながら二人とも仏の道に仕える身、出会いから良寛の死まで
5年にわたる睦まじき仲に、周囲の視線はやはり冷ややかなものも
あり、良寛和尚はやや距離を置こうと人目を気にするのですが、
さすがの貞心尼は度胸がすわっています。

「鳶はとび 雀はすずめ 鷺はさぎ 烏はからす なにかあやしき」

そして著者の工藤さんの想いが、文中私に特に強く感じられた部分は
こちら。
『恋しさに、ただただ歩く。その行為が私には、ふと羨ましく感じられた。
そうした時間の使い方を、私たち現代人は勿体なくてできない。電話や
メールは、いとも簡単に恋人や友人と連絡を取れる手段になっているが、
歩いて訪ねて行くまで、相手の様子がわからなかったら、不安や期待は
そのぶんだけ高まる。そしてやっと会えたときの喜びは、想像を絶する
ほど大きかったのではないか。

良寛の時代に比べると、人間関係はたしかに変わってしまった。人と
人との距離は、現代のほうが近くなったかもしれないが、その密度は
昔のほうが濃かった。

私はなぜか、うだるように暑い日中の東京にいながら、真冬の越後を
思いやった。厳寒の季節にも、貞心尼は雪を踏み分けて良寛のもとに
駆けつけた。それが難儀であればあるほど、彼女の愛情の深さが伝わる。
なによりも良寛が、その真心にほだされたろう。』

工藤美代子著「良寛の恋~炎の女 貞心尼」講談社

戒律の厳しい禅宗の僧侶であった良寛和尚と、素直で気の向くまま懸命に
良寛の最晩年を支え最期を看取った貞心尼。その真心に包まれて良寛は、
仏の世へもやすらかな気持ちで旅立てたのだと思います。

執着を捨てあるがまま、心の欲するまま素直に生きたこの二人を、
私たちがこの平成の世から禁断の恋うんぬんと叫びたてるのは、
はなはだ筋違いなこと、なのかも知れませんね。 
ではまた、おやすみなさいzz...

| 投稿者 テニス侍 23:06 | コメント(2)| トラックバック(0)

赦す

こんばんは、きょうもすごく寒いですよね~。明日あさっては
雪の予報も出てますがどうなるでしょうか?!

今日は、夕方から松戸のMさんのテニスサークルへ今年初参加。
3時間ダブルス練習の予定でしたが、2時間くらいしたら
最近痛みだした両足首の上部(スネのあたり)が少し気になったので、
早めにあがらせてもらいました。テニス自体の調子は悪くないので、
もっとやりたかったのですが・・。

さて、先週末から読んでいたジョン・アーヴィングの新作
「また会う日まで UNTIL I FIND YOU」を読み終えました。
1100頁を超える長い物語は、加速度的に物語の密度を増して読者を
夢中にし、途中ページを閉じる勇気を失わせるほど。。

4歳の少年の記憶からはじまる物語。主人公ジャックは、刺青師の
母アリスに連れられて、母と子を捨てた父親ウィリアムを探す旅に
出る。カナダから北欧への旅先で出会った多くの人々との記憶を
胸に刻みつつ、また母と北米に戻って波乱に満ちた青年期を送る。
そしていつの日か成長し人気俳優となったジャックは、愛する母の
死をきっかけとして、集積された過去を何とか解きほぐさなければ
と思い、単身父親探しの旅に出ます。少年時代に出会った人々との
再会を果たしながら、昔の記憶をひとつひとつ再構築していくと・・、
ある日ついに父ウィリアムに出会うのだ。

この小説の最大のテーマは「赦し(ゆるし)」であると思います。
幼い自分を捨てた父を、その父への復讐に明け暮れた母を、
そして・・愛されることには慣れているものの、愛することを
知らなかった自分を。

またアーヴィングに限らず読み応えのある長い小説に没頭していると、
いつの間にか「物語が自ずから展開していく」ような感覚を
味わうときがあります。今回も本が手に馴染んできたころ、
ふと本を開いているだけで、登場人物が語りかけてくるような、
久しぶりにそんな不思議な感じを覚えました。

最後に、著者の主張の中で、特に私の胸に残った言葉はこちら。
見た知った感じたことは常に、自意識の影響を免れないという
ことでしょうか。

『記憶なるものの相当部分は嘘なのだ。いわば絵はがきの景色。
降ったままで踏まれない雪。窓辺に見えるクリスマスのキャンドル。
その家の子供が傷ついていても、見えないし、聞こえない。』

ジョン・アーヴィング「また会う日まで」新潮社

機会があれば、ぜひ手に取ってみて欲しい大作だと思います!
ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:29 | コメント(0)| トラックバック(0)

胸の中にて鳴る音あり

こんにちは。日中あたたかい陽が射して気持よい天気ですね。
今日は朝8時から4時間、はるさんのメンバーでダブルス。
夕方も4時間、松戸のサークルで試合形式練習です。昨夜も
3時間ほど練習したので、少しだけ肩が痛い。。
先週、ラケットをYONEX RD1Sツアーへ新調したので、
以前よりパワーが増して扱いやすいです。特にバックハンドが
軽く振ってもいい感じ。気分良くプレーできるし、変えて正解
だったと思います。

さて昨日から読んでいる本は、コラムニストの上原 隆さんの
「胸の中にて鳴る音あり」です。この方が取材の対象にされる
のは、あくまでも無名の一般人ということなのですが、そんな
人々の人生をどこまでも温かい視線で描きとっていて、読んだあと
とても穏やかな気持ちになれるのです。その筆致はまさに
名人芸で、私たちの人生は、もちろん、決して華やかではない
のですが、どんな人にも語るべきそれぞれの物語がしっかりと
あって、それを受け取る側に何かしらの変化を与えてくれる
んですよね。

さらに本のあとがきに記された、こんな筆者の誠実なことばにも
心惹かれてしまいました。

「先日、話を聞かせていただいた方から「上原さんの話を聞かせて
ください」といわれました。そういわれて、自分をふり返ってみました。
私の暮らしといえば、取材してるか机の前に座っているか、テレビを
観ているかビールを飲んでいるか。話すようなことはない。この歳に
しては薄っぺら。悲しくなりましたね。それで、思い当ったんです。
私は、話を聞かせてくれた人たちの人生を貯め込むことで、ぺらぺらの
人生に厚みをもらっていたんだな、と。」
上原 隆著『胸の中にて鳴る音あり』文藝春秋刊


私なども、本を読んだり話を聞いたりして、他人の人生を想像の
中で「生きる」ことで日々救われているのだよな、と改めて
思いました。 ではまた、よい休日を!
| 投稿者 テニス侍 14:14 | コメント(2)| トラックバック(0)

エトルリアの微笑み

こんばんは。もうすっかり秋らしくなってきましたね。
太陽の出る日中は汗ばむくらい暖かくなるものの、
朝夕はきりっと冷え込む寒暖の差の激しい気候に
体調を崩しがち、気をつけましょうね~。
今日はじめてコートを着て出かけたのですが、
朝以外は暑くなって脱ぎっぱなしになってしまい、
あまり意味なかったかも。ちょっと前に、電車の吊り広告で
「街は無料のトレーニングジムだ」というのを見て以来、
なるほどそうだよなー、と感心して運動のために
階段を使うようにしているので、すぐに汗だくです。

そういえばもう人間ドッグの時期。今年の2月に3か所再検査で、
何度も病院に通ったのもつい最近のように感じます。
そして前回よりもさらに5キロも太っているので、
また医者に痩せなさいと言われるなー、もっと運動してとか。。
目一杯やってるんですけどね、食べ過ぎをやめないとダメかな・・。

さて昨日読んだ本は「エトルリアの微笑み」という小説です。
スペインの作家ホセ・ルイス・サンペドロさんが20年以上前に
書いた100万部を超えるスペインのベストセラーで、日本には
先月ついに初翻訳が届けられた待望の書。表紙デザインもセンス
抜群ですし、その内容も秀逸です。
主人公ブルーノが最後に浮かべた微笑みを、私も身近で看取り
目撃したような、何ともあたたかい気持ちになってしまいました。



南イタリアで生まれ育ち、愛する妻をすでに失った老人ブルーノは
末期ガンに侵されてしまい、その検査と治療のため息子夫婦が住む
都会ミラノに初めて出てきます。
そこで生後13カ月になる孫の男の子ブルネティーノに初対面したり、
偶然出会った女性オルテンシアと心を許す仲となって、人生最期の
数か月を過ごすことになります。

まずブルーノとオルテンシアが交わす、こんな親密な会話が面白い。

「だが実際わしらは女の人生についてはあまり知らん。たくさん
女がいたっていうのに!」うぬぼれ顔で微笑む。
「女ってものを知らなかったの、ばかね。女を楽しんだ、それだけ。
ただ上っ面だけ」
「ほんとうに上っ面」「どこらへんがおいしいか、とか?」
「でも、楽しむよりもっとたくさんのものがあった。それなのに
あなたはそんなこと思ってもみなかった。男はみな同じ。
覚えておいて。あなたたちは女が好きでも、女に関心はない。
男はみなそうだわ」
『エトルリアの微笑み』ホセ・ルイス・サンペドロ著
渡辺マキ訳/NHK出版

また作中、主人公の言葉の、
「人は、自分自身のためよりもなお、愛する者のために生きる」とは
今年90歳を迎えた著者が、私たちに最も伝えたいメッセージなのだと
思います。愛すべき子に孫に人に、知恵や勇気を伝え、あらゆる攻撃
から守り、持てるもの全てを与えること、それがまさに人が生きること、
なのかもしれませんね。

ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:57 | コメント(2)| トラックバック(0)

石川啄木の歌

こんばんは。東京は朝から快晴無風でおだやかなお天気でしたね~。
今日7日から、有明では第82回全日本テニス選手権の予選が
始まっていますね。時間を作ってなるべく見に行くようにしたいと
思います。今年の優勝者は誰かな~?私の希望的予想は、男子が
去年準優勝の松井俊英選手、女子は先週台湾でも優勝している
森上亜希子選手がそれぞれ初タイトルかな!!あと鈴木貴男選手や
杉田祐一選手森田あゆみ選手も応援しています~、頑張って!!

さて今日は、私の地元である北海道釧路市にゆかりの深い作家、
石川啄木(1886-1912)の短歌をご紹介したいと思います。
岩手県盛岡市生まれの早熟な作家は、生涯借金と遊女に
辛苦を舐め、肺結核によって若干26歳で短い命を閉じて
しまいます。20歳で彼は地元を飛び出し、職を求めて函館・
札幌・小樽・釧路と居を移し、代用教員や新聞校正係、記者の
仕事に就きながら、多くの代表的な歌を詠み残しました。
特に金に執着し女にのぼせやすく、さらには幼少時から神童と
呼ばれるほどの天賦の才に傲慢なほどの自信を漲らせながらも、
世間から思うような評価を得られず不満を募らせる啄木。
その姿は、私たちと変わらない弱くて平凡な人間を思わせます。
私も小さい頃からなじみはあったのですが、興味をもつように
なったのは、この数年前から。特に絵画を思わせるような
視覚的描写力が、まさに天才的だと思います。
今日は、代表作「一握の砂」(明治40年・1907年)のうちで、
特に心に残った歌を数点ご紹介しますので、ちょっと読んでみて
ください。

箸(はし)止めてふっと思ひぬ
やうやくに
世のならはしに慣れにけるかな

はたらけど
はたらけど猶(なほ)わが生活(くらし)
楽にならざり
ぢっと手を見る

たんたらたらたんたらたらと
雨滴(あまだれ)が
痛むあたまにひびくかなしさ

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
花を買ひ来(き)て
妻(つま)としたしむ

不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五(じふご)の心

ふるさとの山に向ひて
言ふことなし
ふるさとの山はありがたきかな

神のごと
遠く姿をあらはせる
阿寒(あかん)の山の雪のあけぼの

かの時に言ひそびれたる
大切の言葉は今も
胸にのこれど

「歌は私の悲しき玩具である」と叫んだ啄木の想いは、
短く平易なことばの組み立てに結実して、今なお私たちの
こころをとらえ揺さぶります。ちょうど100年前のこの日本で、
貧困に孤独に頭を抱えながら紡いだ歌々に、ひととき目を閉じて
寄り添ってみるのも、またいいものですね。
ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:56 | コメント(2)| トラックバック(0)

「リビアの小さな赤い実」

こんばんは。今日も過ごしやすく良いお天気でしたね~。
今日の午後、仕事で精神科のお医者さんを訪問したの
ですが、なんと今年の夏ロシアで強盗に襲われたという
話をお聞きし、その手口の乱暴さに驚きました。

何でも、極東地域ハバロフスクに政府の仕事で医療施設の
視察に行った際、レストランで助手の日本人学生と夕食を
取っていたところ、偶然近くにいた数名の現地ロシア人と
親しくなったそうです。友好の記念として、ロシア人の
アーミーナイフと学生の腕時計をそれぞれ交換してその場は
別れたそうですが、その後レストランを出たところで急に
そのロシア人たちに車で拉致され、パスポートや財布ほか
身ぐるみはがされ、抵抗したら乱暴されてひどいケガまで負って
しまわれたとのことです。
ロシアも近年貧富の差がどんどん激しくなっていて、治安が
ものすごく悪化しているらしく、特に日本人が狙われている
ようなので、みなさん十分に気をつけましょう。

そのあと夕方、歯医者さんでハロウィーンのかわいい現場を目撃!
仮装した小さい女の子が次々と受付に集まっては、
「とりっくおあとりーと ちょうだーい!!」と脅して(?)いました。
先生もその都度顔を出してお菓子を手渡したあと、
「食べたらちゃんと歯を磨くんだよ~」と伝えるのですが、、
(その言葉はあまり聞こえていないようです)
みんなとにかく嬉しそうな笑顔で満足そうに帰っていきましたよ~。
あと歯科助手の方たちも可愛らしいカチューシャなどをしたりして、
雰囲気を盛り上げていました。

あと先日、ある方からいただいたコメントを読んで
軽い気持ちで手にした一冊が、予想以上に読み応えが
あって面白かったのでご紹介しますね。アメリカ生まれの
リビア人作家で、現在はエジプトに亡命している
ヒシャーム・マタールさんの「リビアの小さな赤い実」
という本です。


原題は"In The Country Of Men"、まさにイスラム原理主義による
「男たちの国で」、ある一家の主人とその仲間が反体制派として
独裁政権に反旗を翻す顛末を、その主人の9歳の息子
スライマーンの視点によって語られる構成になっています。
また現実にもカダフィ大佐によって69年から続く独裁政権によって、
著者マタールの父も秘密警察によってエジプトで拉致・投獄され
消息を絶っているということからも、リビアの政治的状況としては
ノンフィクションと言えるかもしれません。

偉大なる「革命指導者」カダフィの政治に異を唱え、その欺瞞を
追及して体制側から追われる身となる少年スライマーンの父と、
夫の理想主義を心底嫌悪し、現実生活を家族を頑なに守ろうとする母。

そしてどこまでも青い地中海や真紅の夕日、白いトリポリの
歴史ある町並みなど、リビアのたぐい稀なる美しい風景を
見事に描く一方で、対照的に友人を裏切ったり父親の秘密を
暴いたり海に溺れる浮浪者をとっさに海に沈めようとしたり、
という少年の心の残酷で醜い部分をも丹念に描きだして
見せる作者の誠実さに心奪われてしまいます。

私が作中で最も印象に残った箇所はこちら。
のちに成人し薬剤師として働くようになった少年が、
喪失感や欠落感を胸に内省して語るところです。

「ぼくたちはなんとたやすく、軽々しく、架空の自分を
手に入れてしまうことだろう。そうすることで世間を
欺き、もし余計なことをせずにいたらなっていたはずの、
ほんとうの自分を欺いているのだ」
ヒシャーム・マタール著「リビアの小さな赤い実」ポプラ社

「ほんとうの」自分と「架空の」自分・・。
自身にしかわからない誤魔化しようのない思いは、一生涯
繰り返し自問自答していく以外に道はないのでしょうね。

こんなにも真剣で美しく思い出に残る作品を紹介して
くださったmaryさん、本当にありがとうございました。

それではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:58 | コメント(2)| トラックバック(0)

アントニオ・タブッキ

こんばんは。今日も東京はいい天気になりましたねー。
風もなくて、つい公園のベンチで日向ぼっこを楽しんで
しまいました。
夕方は自由が丘にある歯医者さんへ・・。実はかなり苦手です、
音も匂いも・・。そしてずいぶん久しぶりだったので
(1年ぶりか)どのくらい口を開けてよいのかわからず、
アゴが痛いです。10年位前から通っていますが、
サッカーのカズ選手も来ているらしい上手な先生でして、
とても信頼しています。助手の方に毎回ブラッシングを
教えて貰うんですが、なかなか覚えられませんねー。

さて今日読んだ本はイタリア文学者で作家の須賀敦子さんが訳した
アントニオ・タブッキ著「インド夜想曲」です。ずいぶん前に
映画を観たことはあるのですが、内容も忘れてしまったし
タブッキという作家の本を読んだことがなかったので。。
今回初めて読んでみたら、面白い~!あっという間に気に
入ってしまいました。
あらすじは、イタリア人の主人公が、行方不明の友人を
探して、ボンベイ、マドラス、ゴアといったインドの主要都市を
訪ねて巡る旅の物語。インドの夜の、じっとりと濃い空気感が
行間からよく伝わってきます。
何でも昔から「インドは失踪するためにある」というそうで、
怖いですね~。そういえば国際空港の出発ロビーの掲示パネルに、
DELHIやBANGALOREという行き先を見ると、なぜか心惹かれて、
ふらふらと旅してみたいなーと思うのは私だけでしょうか。

作中、著者の想いが最もよく汲み取れると思った箇所はこちら。
真夜中、ボンベイの駅の待合室で偶然知り合った男と交わす会話です。

「この肉体の中で、われわれはいったいなにをしているのですか」
僕のそばのベッドで横になる支度をしていた紳士が言った。
その声はこちらの意見をたずねるというふうではなく、質問と
いうよりはただ確認を求めるような調子だった。たとえ質問だった
としても、僕はこたえられなかっただろう。軽々と、そして、
インド人特有の慎重さと控え目な身のこなしで部屋のなかを
あちこち動く彼の痩せた影を、駅のプラットフォームの電灯の
黄色い明りがペンキのはげた壁に映し出していた。
遠くから、ゆっくりと単調な声が聞こえていた。たぶん祈りの声
だろう。あるいは、ただ嘆きを表現するだけで、なにも願わない、
孤独で希望のない嘆きだったかも知れない。なにを言っているのか、
意味を理解するのは、僕には不可能だった。これもまた、インドなのだ。
平板な、明確な区別のない、朦朧とした音の世界。

「これに入って、旅をしているのではないでしょうか」と僕は言った。
質問されてから、かなり時間がたっていたかも知れない。僕は、
遠いことを考えてぼんやりしていた。しばらく、うとうとしたのかも
知れない。僕はひどく疲れていた。
彼が言った。「なんて言われました?」
「肉体のことです」僕がこたえた。「鞄みたいなものではないでしょうか。
われわれは、自分で自分を運んでいるといった」

『インド夜想曲』アントニオ・タブッキ(白水社)

本を読むこともまた、旅をすることなのかもしれない。
答えのない旅。自分という鞄を抱えて。

この週末は武道館でボニー・ピンクのライブに行く予定です。
久しぶりなので、すごく楽しみ~!
ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:58 | コメント(4)| トラックバック(0)

海に帰る日

こんばんは、今週もあっという間に金曜日。。
最近は本当に1週間が早く過ぎる感じがします。
できればもう少し本を読みたいのと、WOWOWで
録画した映画を観たいのですが・・、言えばキリが
ないですもんね。

今日の午後お訪ねした会社の60代の部長さんは、
もう3年ほどのお付き合いですが、半年ぶりにお会いした
ところ、そのお顔がとても日焼けして黒かったので
「またずいぶん焼けてますね~!」と言うと、この夏から
東海道を東京日本橋から京都の三条大橋まで歩いて巡って
いるらしいのです、スゴイ~!!
何でも土日など休みの日を利用して日没まで少しずつ進み、
翌日は電車などで前日に到着した地点まで戻って再スタートする
そうなのです。だいたい一日20キロくらいは歩くようですよ。
ご夫婦そろってのご趣味らしく、私が「仲がよろしいですね」と
伝えると、「いやいや道中もケンカばかりですよ。速いとか遅いとか
休むとか、全然間が合わないんだよね」
やっぱり、、そんなものなんですよね・・。

さて近所の図書館にようやく入荷した予約本を、昨日
ゲットして読み始めたらこれがすごく面白かったので
少しご紹介しますね。それはジョン・バンヴィルJohn Banville
「海に帰る日」(新潮社)です。



初老の美術史家マックスは、最愛の妻アンナを癌で失います。
突然の妻の死による癒えることのない激しい喪失感を抱えつつ、
少年時代に毎夏過ごした避暑地アイルランドの海辺に佇みながら、
遠い夏の日に夢中に恋した少女クロエが、ある日突然海に消えた
謎の死の記憶を重ねて思い起こします。そしてこれまでの自分の
人生の時間を、過去を、いつまでも静かにうねる海辺で反芻します。
とても懐かしい風の匂いに包まれながら。

マックスは思う。「記憶とはいったい何なのか」。
目を閉じれば、幾重にも降り積もる、過去に輝いた時間の記憶が
ありありと現れてきます。かつて「現在」だったものの積み重ねとして。

そして彼はつぶやく。
「ひょっとすると人生は、そこから立ち去るための長い
準備期間にすぎないのかもしれない」と。

もしそうであるとするならば、私は、誰もがいずれは消えゆく
「海に帰る」存在として、日々の一瞬を自らのやり方で真剣に
生き、その記憶を紡ぎながら辞世の準備をしようと思いました。

さて明日は朝2時間、はるさんのサークルにお邪魔し、
夜は松戸Mさんのところで練習させてもらいます。
ではまた明日、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:55 | コメント(0)| トラックバック(0)

グレート・ギャツビー

こんばんは。ニュースによると今朝、旭川で初雪が観測された
そうですねー。初冬のあさ起きて窓の外に目をやると、見渡す
限りの白い雪景色にふと息を飲む感じ・・。ここしばらくは
味わっていませんが、冬の初めは新鮮で特に美しく思うんですよね。
それにしても、これからまたいつか、雪国に暮らすこともあるのかな。

そういえばその昔、札幌に住んでいた学生のころ、地下鉄駅まで
結構な距離があったのでバスを利用していたのですが、雪が降ると
やはり時間通りの運行は難しくなり、ダイヤが大きく乱れることに
なります。
ある大雪が降る夕方、いつものバス停留所に向かうと、既に
おばあちゃんがひとり、ストールをかぶって寒そうにバスを
待っていました。予定時刻よりもおそらく30分くらい遅れて、
ようやくバスが、それも2台続けて到着しました。やれやれと
思いながら、そのおばあちゃんのあとを追って乗車しようと
すると、先に乗り込んだおばあちゃんが思いきり言い放った
運転手さんへの一言に思わず笑ってしまいました。。
「こんなに遅れて・・、殺す気かい!!」
このバスの乗客のみなさんはこう思ったでしょうね、お気持ちは
よーくわかりますが、そんなにお元気なら全然大丈夫だと
思いますけど・・。

今日は午後、松戸の江戸川河川敷で月末の大会に向けてランニング。
片道1キロの表示を2往復4キロで22分。かなり遅いですが、
問題なく楽しく走れたので、あと2週間で距離を延ばそうと
思います。そのあと夕方から3時間、ときどきお邪魔する
葛飾Mさんのサークルでテニス練習。明日はシングルの試合
なのでサービスと、ストロークを意識的に練習しました。
体調はすごく良いので、何とか1つでも多く勝ち進めるよう
頑張りますね~。

それから先ほど、フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」
を読み終えました。
アメリカ文学不朽の名作として名高い作品だけあって、テーマが
幾つも重なって味わい深く、結末は悲劇としか言えない深い
哀しみを湛えつつも、ひと夏の美しく儚い物語を本当に愉しめる
と思います。
私が最も印象深いと思う個所はこちら。人知れずギャツビーが、
兵役やら何やらで失った元恋人デイジーの住む対岸の邸宅の
灯火に向けて、身を差し出す描写のところ。

「猫の影がひとつ、月光の前をちらつきながら横切ったので、
僕はそちらを向いた。そしてそこにいるのが自分だけではない
ことを知った。五十フィートほど離れたあたりに、隣の屋敷の
物陰から人影がひとつ音もなく現われたのだ。その人物は両手を
ポケットにつっこみ、そこに立って、空に細かく散った銀色の
星をじっと見上げていた。落ちつきのある動作や、芝生に両脚で
揺らぎなく立つ様子から、ギャツビーご本人であると推測できた。
おそらくはこの地域の天空の、どれほどの領域を自分が所有して
いるかを確認するために、お出ましになったのだろう。
声をかけてみようかと思った。ミス・ベイカーが夕食の席で
彼の話を持ち出していたし、それが自己紹介のきっかけになるだろう。
でも結局声はかけなかった。というのは、彼がそのときにとった
突然の動作によって、この人物は一人でいることに満ち足りて
いるのだと察せられたからだ。彼ははっとさせられるような
しぐさで、両手を暗い海に向けて差し出した。そして遠目では
あったものの、彼の身体が小刻みに震えていることがはっきりと
見て取れた。僕は思わず、伸ばされた腕の先にある海上に目を
やった。そこには緑の灯火がひとつ見えるきりだった。
小さな遠くの光、おそらくは桟橋の先端につけられた照明だろう。
それから再びギャツビー氏の方に視線を戻したとき、そこには
誰もいなかった。僕は騒がしい夜の闇の中に、またひとりで
取り残されていた。」
スコット・フィッツジェラルド著「グレート・ギャツビー」
村上春樹訳・中央公論新社刊

ようやく差し出した手に、触れたかどうかと思った矢先につかみ
損ね、指先からすり抜け落ちてしまう繊細な想いや夢の脆さ。
小説を読む最上の喜びが、この300ページに存分詰まっていると
思いました。 それではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:57 | コメント(0)| トラックバック(0)

「千年の祈り」

こんばんは。今日は午後から仕事をお休みし、AIG観戦に行ってきました!
先週末の前夜祭以来でしたが、お客さんが本当にたくさん入ってますね。
注目のヒューイットの試合などは、平日なのに7割以上の席が埋まって
いたと思います。
会場に着く前に、朝から行っていたテニス仲間のはるさんにメール。
朝からすごく日射しが強く暑かったようです。しかし、空や雲は確実に
秋の様相ですし、とんぼもゆったり気持ち良さそうにコートと観客の
あいだを飛び交っていて、少しほのぼのとしてしまいました。
そしてトッププレイヤーの真剣なテニスは、まさに興行にふさわしい
価値あるプレーの連続で、またちょっぴりでも自分のプレーに役立て
たいと思わせました。フェレールの芸術的なリターンとテイクバックの早さ、
ヒューイットのフットワークとよく曲がっているヒザ。あとガスケ
シューズが、私と同じアシックスのゲルレベルで思わずうれしく
思ったのと、ヒューイットに激戦の末勝利した長身ビッグ
サーバーのカルロビッチが、タオルを渡してくれたボール
パーソンやドリンク担当の人に、試合後お礼の挨拶をしている
ところに、人間としての品や優しさを感じました。

明日も10時から有明に行って、女子シングル決勝や
男子シングル準決勝ほかを観戦してきますね~!

さて今日のタイトルは近年大注目の中国人作家イーユン・リーの
短編集の題名。現在はアメリカに住み、大学の創作科教授
としても活躍されているようです。
彼女の文章はまさに簡潔で正確。時代や政治の大きなうねりを背景に、
家族や恋人、友人との結びつきのはかなさを描くことで、「哀しみ」
という濃い感情を伝えることに成功していると思います。

特に印象に残ったのは、表題作の短編「千年の祈り」の中で、
離婚した娘を案じて米国にやってきた父が口にした
『修百世可同舟(シウパイシークウントンジョウ)』という言葉。
これは「誰かと同じ船で川をわたるためには、百世代のあいだ
祈らなくてはならない」という意味だそうです。気の遠くなる
くらいの長い年月の祈りによって、初めて人との出会いや関係が
出来るのだと。

この父、石氏は気難しい娘を得意の料理を振る舞って励ますのだが・・。

「二の句を待たずに娘は寝室のドアを閉じる。娘がほとんど
手をつけなかった料理を石氏は見やる。刻んだキノコとエビと
ショウガを詰めて焼いた豆腐に、タケノコと赤唐辛子とサヤエンドウを
合せたもの。娘は毎晩料理をたたえてはくれるが、その言葉に
心がこもっていないのを感じる。料理が父の祈りだということを
娘は知らない。そして、祈りにこたえてはくれない。」

イーユン・リー「千年の祈り」篠森ゆりこ訳・新潮社

人との付き合いの裏には長い年月の祈りが必ずあり、さらには
その祈りには色々な形があるのだということですね、言葉に
なるものもならないものも・・。
そう思えば、ふだん何気なく過ごし関わっている家族や友人たち・・、
そのかけがえのなさを、日毎に実感できるのかもしれませんね。
ではまた、おやすみなさいzz...



| 投稿者 テニス侍 23:55 | コメント(0)| トラックバック(0)

知覧からの手紙

こんばんは!今日も朝8時からテニス練習。7時まえに起きて
顔を洗おうとベッドから出てみると、フローリングの床が裸足に
ひんやりと冷たくって、これはずいぶん久しぶりの感じでした。
テニスの方は、いつものメンバー4名でダブルス。緊張感のある
ラリーが長く続くことが多く、本当に疲れてしまいます。
調子はわりに良く、リターンもストロークも体重移動しながら
押しこむような気持ちで打つと、いいボールが行くようでした。
今日はもともと2時間の予定でしたが、コートが偶然空いていたので
さらに延長2時間・・。いつまでやっても飽きないテニスの魅力には
どうしても逆らえませんね。。次の合宿計画の話もあるし、元気に
プレーできている現在の境遇に、改めて感謝したいと思います。

さて昨日から読んでいたのは、水口文乃さん渾身のノンフィクション
「知覧からの手紙」です。先の大戦末期、志願して陸軍飛行部隊に
配属されたある特攻隊員の手によって、当時の婚約者に宛てられた
手紙や日記を集めたもので、20歳そこそこの若者がここまで強く
祖国の行く末を憂い、故郷会津の家族を想い、恋人に誠実に向き合う
様に驚くとともに、平和な現代の日本に生きる者として頭を垂れる
思いがしました。

「『利夫さんが私だけに残してくれたものを公にしていいのかと
ずいぶん悩みました。だけど、彼の日記や手紙を見て、そこから
何かを汲み取ってくれる人もたくさんいるでしょう。私自身もそれを
何度も読み返して、利夫さんへの理解を深めることができたから』
こう言って彼女は、しまいこんでいた利夫さんの日記や手紙、写真を
見せてくれた。言うまでもなく、これらは特攻隊に参加した若者を
理解する上での貴重な『資料』である。
しかし、私が目にしたのは資料という無機質なものではなく、人の心を
打つ『作品』であった。『死』が前提にありながらも、利夫さんの書く
言葉に愚痴めいたものは見つからない。ただ、智恵子さんへの思いやりと、
国家に危急が逼り来るときに青年として何をすべきなのか、という
熱い思いが綴られている。その隙間に、さらりと挟まれている利夫さんの
若者としての本音が、智恵子さんの話とともの私の心を打った。
しかし、智恵子さんは時折、私に戦時中のことを話すのをためらうことが
あった。特に、その時々の彼女の気持ちを話す際、戦後三十年近く経って
生まれた私がよく理解できないことに、もどかしさを感じるようだ。
『あなたたちは、命は尊いものだと教えられているでしょうけれど、
あの時代は、命は国のために捨てるべきものだったの。今とは、あまりに
価値観が違うから、わからないと思うことも当たり前かもしれないわね』」

「知覧からの手紙」水口文乃著・新潮社刊

生きる時代によって、価値観の基準はやはり違うと思うので、何が
絶対的に正しいか正しかったかを裁くことは誰にもできないと
思います。ただ私は「命は尊いもの」とはもちろん同感ですが、
「生命至上主義」(命こそが絶対唯一無二のものであり、全てに
優先すべきものという考え。以前「命は地球より重い」として
ハイジャック犯の仲間を釈放した事例などもありました)には
違和感を覚えるのです。命と同じほど大切で大事にすべきものは
他にもあるのではないかな・・、しかしそれはもちろん各人の心の
中の問題であり、他の人に強制すべきものではないとも思いますが。
いまだご健在でいらっしゃる、婚約者であった84歳の智恵子さんが、
語り部として私たちに話し継いでくれたごく貴重な個人的体験を、
私もずっと心に刻みこんでおきたいと思いました。
ではまた、明日!
| 投稿者 テニス侍 19:34 | コメント(2)| トラックバック(0)

近衛文麿

こんばんは!連日めちゃくちゃ暑いですね~!
今日は、秋の葛飾区長杯男子ダブルス大会に参加してきました。
春の前回同様、ペアを組んでもらったのはご夫婦でイラン旅行
帰りのTさんです。
エントリー8時半なのに私が7時半すぎに会場に着いてしまい、
「いくらなんでもちょっと早すぎたかなー?!」とコートに
入ってみると・・、すでにTさんがバナナの大房とともに
ベンチにいるではないですか!!ビックリしました~やる気まんまん
ですね!彼曰く「何でも一番は良いことだー!!」前向きですね・・。
試合の方は、1回戦で20代と思われる兄弟ペアに6-1で快勝!
次の2回戦はまたまた第一シードペアに当たってしまい、1-6で
返り血を浴びました。。相手は初戦なこともあって体が温まっていない
せいか、序盤ミスも多く予想よりポイントが取れたのですが、
やはり私のリターンミスなどで失点を重ね、完敗でした。
無駄なミスが本当にもったいないことと、気持ちで守らないで
攻め続けることが大事だなと思いました。ペアのTさん、またまた
バナナも食べずに昼前で終わってしまいましたが、次回もぜひ
よろしくお願いしま~す!!

さて今日午後は映画に行く予定でしたが、妻も私も先週バタバタして
いて疲れていたので今日は、家でのんびりすることに決めました。

そこで昨日、予約がようやく入荷した「近衛文麿 黙して死す」
を読みました。戦前には非戦にあらゆる努力を重ねて主に陸軍から
「軟弱者」「売国奴」と罵られ、戦中は講和条件の調整の機会を
得るべく東奔西走した近衛公が、いかに戦後米国の左派から東條英機
元首相と並ぶ最大の戦争責任をなすりつけられたかが、克明に描かれて
います。国体を護りつつ、昭和天皇に危害が及ぶのを恐れた公が、遂に
服毒による自死を選ぶ前夜に残した文章が全てを物語っています。

「僕は支那事変以来多くの政治的過誤を犯した。之に対し深く責任を
感じて居るが、所謂戦争犯罪人として、米国の法廷に於いて裁判を
受けることは、堪え難いことである。殊に僕は、支那事変に責任を
感ずればこそ、この事変解決を最大の使命とした。そして、この
解決の唯一の途は米国との諒解にありとの結論に達し、日米交渉に
全力を尽くしたのである。その米国から今、犯罪人として指名を受ける
ことは、誠に残念に思う。
しかし、僕の志は知る人ぞ知る。僕は米国に於いてさえ、そこに多少の
知己が存することを確信する。戦争に伴う昂奮と、激情と、勝てる者の
行き過ぎた増長と、敗れた者の過度の卑屈と、故意の中傷と誤解に基づく
流言蜚語と是等一切の与論なるものも、いつかは冷静さを取り戻し、正常に
復する時も来よう。
其時始めて、神の法廷に於いて正義の判決が下されよう」
かれは自分に科した「黙」を守りとおした。その数時間あとに近衛文麿は
自らの命を絶った。五十四歳の生涯だった。

鳥居 民著「近衛文麿 黙して死す」草思社刊

明らかに事後法であり、なおかつ罪刑法定主義の観点からも法としての
形式を全く満たさない東京裁判のインチキさ加減や、たった七日間で
米国の若手共産主義学者が作成した日本国憲法の非合理についても、
私たちはそろそろ『冷静さを取り戻し、正常に復する時』ではないで
しょうか。いつか『神の法廷に於いて正義の判決』が下されるとき、
ようやく近衛公の志は、内外多くの人の理解と共感を得て、有史以来
2600年を超える日本の歴史に燦然と刻み込まれるのだろうと思いました。

ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:38 | コメント(0)| トラックバック(0)

日の名残り

こんばんは!今日も真夏のような光が眩しく、暑い一日でしたね~。
昨夜は、少々疲れていたせいか11時前に寝てしまったので
今日はずいぶん快調!午前ははるさんのサークルに参加して
2時間練習、今日は参加メンバーが少なかったので、いつもより
ボールをたくさん打てました。
その後、夕方まで有明で開催されている第4回国際女子オープンを
観戦。シングルスとダブルスの準決勝が行われていたのですが、
やはりテレビとは違う迫力がありますね。ボールを追わずに、一人の
選手を固定して見ていると、インパクトの前までの準備こそ最も
大切なのかなーと思いました。ポジションに戻り、ステップを踏み
テイクバックとともに打点に移動して踏み込んで・・。何も考えずに
体が反応するようになるには、どれだけ練習を重ねればいいのかなー?
今日初めて見て目を引いた選手は、惜しくもダブルスで負けてしまい
ましたが左利きの菅野知子選手でした。小柄で細身ですが、フット
ワークが良くて気の強さが表に出てくるし、何といっても女子では
数少ない片手バックハンドで振り上げるストロークに痺れました。
11月の全日本では、またぜひ活躍してくださいね、応援しています!!

さて、先日より好んで読んでいますカズオ・イシグロの本ですが、
デビュー作の「遠い山なみの光」(1982年発表)から、
「浮世の画家」(1986年)、「わたしたちが孤児だったころ」
(2000年)と読み進めるにつれて、どんどん面白さが増して
きたように感じています。そして今日読み終えたのが、彼の
代表作にして英国最高の文学賞といわれるブッカー賞を受賞した
「日の名残り」(1989年)です。読後最初の感想は、、ごく控えめに
言っても「心を揺さぶるに不足ない感動的な」物語というもの。
この小説は、2度の大戦をはさんで、英国の名家に有能な執事として
勤務した一人の男が、戦後、ありし日の輝かしい思い出を短い旅の
道程にて丹念に思い起こす形をとっています。

作中、作家の主張が込められたと思われる箇所の一つがこちら。
執事の主人公が仕える主人ダーリントン卿が、第二次大戦前夜に
開かれたある会議にて、アメリカ上院議員の挑発的な議論に
応えたもので、複雑かつ迷走する欧州の問題(主に第一次大戦の結果、
ベルサイユ条約の懲罰的賠償に苦しむドイツが、ヒトラーのもと
様々な暴走をし始めたこと)への、対独協力・宥和政策を取ろうと
図るイギリス穏健派への「アマチュア」という当てこすりに対して
述べた部分です。

『私にはあなたが「プロ」という言葉で何を意味しておられるのか、
だいたいの見当はついております。それは、虚偽や権謀術数で
自分の言い分を押し通す人のことではありませんか? 
世界に善や正義が行き渡るのを見たいという高尚な望みより、
自分の貪欲や利権から、物事の優先順位を決める人のことでは
ありませんか?もし、それがあなたの言われる「プロ」なら、
私はここではっきり、プロはいらない、とお断り申し上げましょう。』

また主人公スティーブンスが、女中頭ケントンに20年ぶりに
再会し、お互いの淡い思い出について短く語り合う最後の場面、
抑制された秀逸な大人の会話の中で、深い悲しみとともに、
どうにもできないやるせなさを感じてしまいます。

『ええ、ミスター・スティーブンス、私は夫を愛しています。
最初は違いました。最初は、長い間、夫を愛することができません
でした。(中略)でも、時間が一年一年過ぎていき、戦争があり、
そしてある日、私は夫を愛していることに気づきました。
これだけ時間をともにすると、いつの間にか、その人に慣れる
のでしょうね。夫は優しい、堅実な人です。そうですわ、
ミスター・スティーブンス。私は夫を愛せるほど成長したのだ
と思います。』

歴史の曲折に包含される個人の秘めやかな悲劇的物語に思わず
胸を打たれてしまったと同時に、良心と美学を堅持する英国の
伝統的紳士を描く技の向こう側に、日本の武士道精神をもうかがい
見るのは穿ち過ぎなのでしょうか。
ちなみにこの小説、1993年にアンソニーホプキンス主演で
映画化されているそうで、必ず観てみたいなーと思いました。
明日もあさってもお休みなので、彼の最新長編
「わたしを離さないでNever Let Me Go」(2005年)を読んでみます。


ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:56 | コメント(0)| トラックバック(0)

カズオ・イシグロ

こんばんは。だんだん朝夕は過ごしやすくなったものの、
日中は暑くて大変でしたね。今23時くらいですが、東京は
豪雨ですごい音がしてます。この週末も天気は大丈夫そうですね。
ツヨシ家は明日から月曜まで、京都散策の旅にでかけます。
京都地方も天気は安定しているようですが、気温は連日
35℃とのこと・・、やはりしょうがないですよね。。

夕食は今年初物の「さんま」です。ちょっと前にTVで報道してたので
リクエストしていたのです!今年は特に豊漁らしくて安価だし、
味ももう最高でしたよ~!新鮮なあぶらがすごくのっていて、内臓も
きりっとした苦味が滋味深く、醤油をほんの少したらして食べたら、
ほんとうにご飯がどんどん進みます。初秋の代表的な味覚ですよね、
大好きです。他にこの時期は果物もまた美味しいですよね~。私の
大好物のひとつは「梨」です!(ほかにも大好物が無数にありますが)
絶妙な甘さとシャキっとした歯ごたえ、少し冷たくして食べると
これが最高です!前に埼玉県の春日部というところによく行く梨園が
あって、初めてのときにたくさん味見をさせてくれたのですが、
梨もやっぱりもぎたての旨さは違うんですよねー。それに現地では
すこし変な形のものや、ぶつけたものなどをたくさんおまけしてくれる
ので、嬉しいものですよね。

さて、先週から読んでいますカズオ・イシグロ、面白いですよ~!
デビュー作の「遠い山なみの光」をおととい読み終え、昨日から前々作の
「わたしたちが孤児だったころ」を読み始めています。一言でいえば
「会話」のセンスが抜群!当初、少し読みにくい感じもあるのですが
登場人物が会話を重ねれば重ねるほど微妙にズレていく、ふだん
私たちもよく経験する感じが、見事に表現されています。筋書きも
「遠い~」は戦後すぐの長崎から英国に移住した女性による、ありし日の
回想であったり、「わたしたち~」は1930年代の上海が舞台と
なっていたりと、歴史の背景も楽しむことができます。
「日の名残り」などほかの代表作を読み終えたらまた書きますね。
久々に、のめり込める作家に出合った感じがして、嬉しく思ってます。

ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:56 | コメント(2)| トラックバック(0)

書店

こんばんは。今日も暑い~!新宿駅の西口のパネルは37℃・・。
例によってたくさん汗をかきました、しかし体重は78~80キロ
の間を絶望的にさまよっています。
先日、仕事で港区のとある美容外科医院に伺いました。私とほぼ
同年代の男性院長に、雑談のなかで「一番多い相談や施術は
何ですか?」と興味本位で尋ねてみたら、なんと「おなかの脂肪
吸引術」だそうです!!ちなみに約20万円、日帰りでOKとのこと。
お困りのみなさんいかがですか?!私は・・もう少し努力してみます。。
そこの医院の患者さんの男女比は1対9(!)で、男性は20代の
若い人がほとんどらしいです。美容外科だけあって、若く美しい
看護士さんや助手の方ばかりですし、雑居ビルの高層階にあったので、
病院というよりは、消毒液の匂いがする秘密の会員制クラブのような
不思議な雰囲気でした。

さて今日は本屋さんのはなし。私も小さいときから書店が大好き!で
今もほとんど毎日どこかのお店に入って、あれこれ物色して
います。今お気に入りの店は、三軒茶屋駅上のツタヤと
高田馬場駅東口の芳林堂書店、大森駅のブックファースト。
本も一期一会というところがあって、今は買わないけど
今度見つけたら読もうと思ったものなどは、次の機会には
タイトルも作者も覚えてないことがあったりしますよね。
またいつも思うのは、仲のいい友人から勧められた本でも、
あまり面白いと思わずピンとこないことも多い、という
こと。あくまで、自分が進んで読んでみたい!と思うもので
なければ、読む方の身も入らないということでしょうか。
どうもオススメ本は、中学の感想文指定本を連想してしまう
のは、私だけかな・・?しかし私もこのブログでさんざん
紹介してしまっているので、もしかしたら読みづらくなって
いるのかも、、その場合は許してください。。

ではまた、最近ハマっているカズオ・イシグロの「遠い
山なみの光」を読んで寝ます、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:47 | コメント(4)| トラックバック(0)

友情

こんばんは。夕方からかなり強い雨になりましたね。
幸い少し時間がずれて、今日は珍しくずぶ濡れには
なりませんでした。明日はもう6月ですよ~!いい天気に
なるようで、週末ですしまた楽しみです!

先日も記事にした、アメリカの人気作家ボブ・グリーンの
新刊を昨日読み終えました。著者本人の幼なじみの病死という
実話をもとに、友情についてこんな想いが記されていて、
心に深くしみました。

『これだけは死ぬことはない。これだけはいつまでも続く。
そんな風に友情というものは永遠だ。建物はできてはなくなり、
名声の輝きを得た男や女は現れては消え、時は訪れてやがて
静かに過ぎ去る。しかしこれだけは終わることはない。
お金に替えることなどできない、そんな価値などは越えた
ところにあるこれだけは。誰ひとりとして、人からそれを
奪い取ることはできない。』
Bob Greene "ABCDJ" 駒沢敏器訳 NHK出版

ちなみにこの本の原題は、ビートルスの歌詞にもある
"And You Know You Should Be Glad"
(きみが喜ぶに違いないとわかっていたよ)
だそうで、とても思いやりにあふれる言葉ですね。

友人や友情とは、家族や夫婦などと違い、血縁や書類といった
裏書のない不安定な関係。だからこそ、ボランタリーで純粋
なのかもしれず、豊かに生きる大きなカギのひとつかも
しれないなーと思いました。
ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:52 | コメント(0)| トラックバック(0)

ABCDJ

こんばんは!東京は今日も日差しが強くて最高の天気でした。
終日研修で屋内にいたので、少し不完全燃焼ですが・・。

全仏予選始まりましたね。残念ながら期待の森田あゆみ選手、
高雄えりか選手と瀬間姉選手は、すでに1回戦で負けてしまい
ました、残念~~!
来月のウインブルドンで雪辱を果たしましょう!!

フレンチといえば、ポイントの数え方なんかがやはりフランス語で
ふだんとは違いますよね。主なコールの発音と綴りを少しまとめて
みましたので、WOWOWなどで試合をみるときはアンパイアの
声もちょっと楽しんでみてください。

  0…zero (ゼロ)
 15…quinze(カーンズ)
 30…trente(トラント)
 40…quarante(キャラント)
 デュース…egalite(エガリテ)
 アドバンテージ…avantage(アヴァンタージュ)
 ゲーム…jeu(ジュ)

全仏の最大の見所は、やはりフェデラーが生涯グランドスラムを
達成できるかどうかということでしょうか?!
クレーには魔物が住んでいるといいますから、ナダール以外の
思わぬ伏兵にもまた要注意ですね。でも、先日のマスターズ優勝で
ちょっと行けそうな気もしています。。

先週末、近くの図書館に予約入荷していたボブ・グリーンの新著
「ABCDJ」を明日から読もうかと思ってます。80年代に
発表されたコラム集「アメリカン・ビート」でとても有名な作家
ですが、今回は幼なじみ5人組の実話をもとに、親友の死を通じて、
男の友情や去りゆく良きアメリカを語ったものだそうです。
等身大の日常が平易なことばで書かれていて、すごく読みやすく
面白そう~。

ではまた明日、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 00:03 | コメント(0)| トラックバック(0)

ポール・オースター

こんばんは!今日はかなり暑かったですね。
少し歩いたら、汗が止まらなくなりました。
あれれ夏になったらどうするの~?!

仕事の約束の合間、涼みがてら書店に寄って
ぶらり見回ったのですが、目に止まったのは
アメリカの作家ポール・オースターの
「幽霊たち」(Paul Auster "GHOSTS")でした。
学生時代にたしか兄が読んでいたので
回してもらったと思うのですが、その読後感の
不思議さがとても印象的だったことを覚えています。
黒い背表紙の文庫本を少しめくってみると、
たった100ページくらいしかない量なのですが
幾重にも絡み合う重層的な物語の進行のせいか、
とても読みごたえがあるのです。
語り手と登場人物と作者(!)らしい人物とが
からんで誰の台詞なのか語りなのかわからなく
なったりというところも面白いです。
おそらく運命や予定調和よりも、偶然や混沌を「受け入れる」
ところに私は共感するのだと思っています。一度この不思議な
オースターの世界に触れてみることをオススメします!

そういえば先日小田急線に乗ったら、中吊り広告で
地中海クラブCLUB MEDのがあって、そのなかの
フランス語のコピーに面白いものがありました。
"Il reste tant de monde a decouvrir."
(発見すべき世界がまだまだたくさん残っていますよ)
まさにそのとおり!スポーツや旅、読書、音楽、映画・・・、
ひとつの世界をじっくりと、またはどんどん新しい世界を
訪ねていくのも、どちらもまた良いですよね。
ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 00:58 | コメント(0)| トラックバック(0)

ピノッキオ

こんばんは!今日は降りそうでふらない微妙な天気でした。
雨よりもやはり動きやすかったですが、やっぱり晴れの方が
いいですね。
モンテカルロでのMS決勝は、ナダルフェデラーを激戦の末
6-4、6-4で破り、3年連続の優勝でしたね。フェデラー
は珍しくハードヒットでエースを取っていく戦術を試していた
ようで、試合が進むにつれてナダルの高い守備力にエラーが
目立ちはじめ、2セットとも1ブレークで落としてしまった
ようです。しかし、本番はやはりローランギャロスですから、
それの準備として割り切っているのでしょう。
全仏がんばって、ロジャー!!

さて昨日岩波ホールで映画「約束の旅路」を観てきました。
ちょっとしんみりとする、なかなか好みの映画でしたよー。
エチオピア難民の小さな男の子がユダヤ人を装って
イスラエルに移住し、人種や宗教の壁に悩みながらも養父母や
同郷人など様々な人の深い愛情に恵まれながら強く成長して
いくというあらすじです。監督がこの1月の試写会に来日した
際、この映画は母の愛がテーマだと言っていたようですが、
主人公の男の子に対するとりわけ養母の深い愛情がしっかりと
描写されており、とても共感できました。
またこの映画を観たあと「ピノキオの冒険」というあの有名な
童話を思い出しました。おじいさんに作られた木の人形
ピノキオが、いろんな経験をしながら出会った人の愛情を
たっぷり受けて成長し人間の男の子に生まれ変わるという
おはなし。
幸運ながら私もこれまでに、多くの人々からたくさんの親切や
優しさをもらってきたことを改めて思いつつ、心からの愛情を
ふさわしい形と場面で与えられる人間になりたいなーと思い
ました。ほんのちょっとの想像力と勇気も必要ですね。。
ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 01:03 | コメント(2)| トラックバック(0)

「わしズム」

こんにちは!今朝は8時から2時間、葛飾のNさんのところで
ダブルス練習に行ってきましたが、手違いでコート移動となり、
同じ区内にあるコートに車で移動しました。その行き帰りの
道中、4人車内で身の上話をしたのですが、テニス以外のこと
を話すのがほぼ初めてだったので、すごく面白かったです。
やはり人それぞれ聞いてみないとわからないすごいドラマが
あるものですねー。特にテニスを再開してからさらに多くの
方たちと知り合いになって勉強にもなるし驚くことも数々、
本当に楽しませてもらってます。

さて今日のタイトルは私の尊敬する作家、小林よしのりさんが
編集をされている季刊の雑誌名です。小林さんは古くから
「東大一直線」や「おぼっちゃまくん」などのギャグ漫画で
絶大な人気を誇ったマンガ家ですが、15年くらい前から
薬害エイズや歴史教科書問題などに関わりながら政治や思想、
歴史の分野に活動の重点を置きはじめ、その後代表作として
「ゴーマニズム宣言」や「戦争論」、「沖縄論」などの著作で
精力的にご自身の考えを発表されています。

私が小林さんに共感する最大のポイントは、「正直」かつ
「信念」のあるところです。自分の弱さを常にさらけ出し
つつ、それでも強くなくてはいけないとする姿勢や、連綿と
続く歴史のなかにこそ守るべき愛すべき国の伝統があるのだ、
とする一貫した主張は特に大きくうなづけます。私はこの
数年、小林さんの署名がある雑誌や言論誌、単行本などは
殆どすべて目を通しています。

たまにテレビに出演する姿を見ると、とても強気でわがまま
そうに見えるし、右翼ぽくて戦争好きで女性にだらしなさ
そうで・・と、失礼ながら良いイメージがわかない方も多い
のではと思いますが、著作をいくつか読んでいただくと少し
わかってもらえるのでは、と思います。

この「わしズム」は今月18日に第22号が発売されます。
書店で一度ぜひ手にとって見てみてください!!

今夜は21時から松戸でシングルス練習、明朝はまた10時
までNさんのところでダブルス練習のあと、有明テニスの森で
予選開催中のメガロス東京国際オープン(男子1万ドル大会)
を観戦してきます。
では~、みなさん引き続きよい休日を!
| 投稿者 テニス侍 15:05 | コメント(0)| トラックバック(0)

「女性の品格」

こんばんは!今日の東京はまったく変な天気でしたね。
日中はうす曇りのうちに日が差したりしていたのですが、
午後から急に寒くなって夕方新宿あたりではみぞれ
まじりの雪が降ったそうですよ。私も5時くらいから
外にでたのでちょうど雷と土砂降りに遭い・・、全身
おまけにかばんも靴もずぶ濡れになってしまいましたよ~。

昨夜の話ですが、予定どおり兄家族4人が泊まりにきていて、
すごくにぎやかでしたー。おいっ子たちと会うのは3年半ぶり
だったので、体もすごく大きくなっていたのと、とても
しっかりした話ができるのでビックリしてしまいました。
小学3年のお兄ちゃんは私の書棚から新書本を取り出して、
ほぼ一夜で200ページを読んでしまったほどの本好き!
ここ最近の愛読書はあのアル・ゴア著「不都合な真実」
だそうですよ・・。
子どもたちが寝静まったあとはようやく大人の時間、夜半まで
久しぶりのきょうだい話をすることができました。懐かしい
話もたくさんあってリラックスできたし、よしまた頑張るぞー
と思えてすごく楽しめました!!
あと、今さらですが子どもがいる生活もかなりうらやましく
思えました。。何といっても最高にかわいいものね!

さて今日のタイトルは去年の秋に発表され、じわじわと話題に
なっている一冊です。著者は埼玉県副知事やオーストラリア
総領事を歴任されて、現在は昭和女子大学の副学長をなさって
いる女性の方です。読んだ方も多いと思いますが、頷ける
ことの多い良本でしたよ。題こそ「女性の~」となっている
けれど、男にとっても当てはまる内容が殆どだよなと思い
ました。あと一番印象に残った箇所をぜひご紹介したいと
思います。単純バカな私も早速用意して今日から始めて
みたんですよ。

『明るく、感謝に満ちた人生を送る秘訣は、受けた親切や助け
を忘れないことです。私も親切にされたり、助けてもらった
記憶は、すぐに忘れないように感謝の「サンキューブック」を
つけていたことがあります。Aさんからこんな言葉で
励まされた、Bさんからこんないい仕事を紹介してもらった。
Cさんから自分の仕事を評価してもらった。それをみるだけで、
自分は独りで生きてきたのではない、こんなに多くの人に愛され
助けられてきたのだと実感します。その感謝が自分も人にいい
言葉をかける人間、役に立てる人間になろうという気持ちに
させてくれます。』  坂東眞理子「女性の品格」PHP新書

親切にしてもらったり助けられたりということって、結構すぐ
忘れてしまいがちですよね。これから感謝のノートを習慣
付けてみようと思います。何年かしたらすごいことになってる
かもしれませんよ。ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 21:51 | コメント(4)| トラックバック(0)

谷川俊太郎

こんばんは!今日も東京はすごくいい天気、外に出るのが
すごく楽しいですよ。今日もいろいろ忙しかったのですが
嬉しそうに咲いている桜の木を見ると、とても和みました。
あと春はなぜか新しいことを始めたくなりますね~。
マイアミではラファエル・ナダールも負け、マレーや
ジョコビッチ、ゴンサレスやカニャスなど伏兵(?)が
今シーズンを盛り上げてくれるのかもしれませんね。

さて今日は社会人になってから好きになった谷川俊太郎さん
の詩を紹介したいと思います。高校時代の副読本でも何篇か
読んだと記憶があるのですがあまり印象になく、むしろ
ずっと前に会社の同僚から借りて読んだ文庫本ですっかり
ファンになってしまいました。特に心にひっかかったこの
詩が大好きで、その後何度も読み返しています。

『もし言葉が』

黙つていた方がいいのだ
もし言葉が
一つの小石の沈黙を
忘れている位なら

その沈黙の
友情と敵意とを
慣れた舌で
ごたまぜにする位なら

黙つていた方がいいのだ
一つの言葉の中に
戦いを見ぬ位なら
祭とそして
死を聞かぬ位なら

黙つていた方がいいのだ
もし言葉が
言葉を超えたものに
自らを捧げぬ位なら
常により深い静けさのために
歌おうとせぬ位なら

~角川文庫「空の青さを見つめていると」より

ちなみにご本人のインタビュー記事によると、ご自分では
「芝生」というかなり短い詩が一番気に入っているそうです
ので、ご興味のある方はご一読ください。
(思潮社・現代詩文庫108「続・谷川俊太郎詩集」に収録
されています)
もう週末、早いですね!ではまたおやすみなさい。
| 投稿者 テニス侍 01:08 | コメント(2)| トラックバック(0)

新潮クレスト・ブックス

こんばんは、今日も暖かい一日でしたね。午後すこし雨が
降ったようですが夕方から3時間のダブルス練習は運良く
雨にあたらず快適にできました。でもかなり風があって
ストロークのバックアウトなど、ミスが多かったです・・。

さて今日は急に午後時間が空いたので、近所の図書館に
予約本が届いたフィリップ・グランベールの「ある秘密」を
読みました。この小説は最近のものではダントツ一押し!
ドイツによる占領の傷がいまだ癒えない50年代のパリを
舞台に、不在の兄を追いながら家族の秘密に気付いていって
しまう少年の姿と成長を描いた物語なのですが、人間という
ものへの深い絶望と、それでも前進していくという希望を
美しく表現しており、150ページ足らずの分量を一気に
読ませます。読了後の静かな感動は、読書する歓びを強く
感じさせてくれますよ!

この新潮クレスト・ブックスシリーズは、まだ日本で訳出
されていない良質の海外作家を約10年前から紹介しており、
これまでに50冊ほど出版されています(うち約20冊は
絶版)が、ハズレがほとんどなく安心して選ぶことができる
と思います。特にジュンパ・ラヒリ「停電の夜に」や
リュドミラ・ウリツカヤ「ソーネチカ」なんかもおススメ
ですよ!

明日も天気が心配ですが10時から4時間、江東区木場公園で
シングルス練習です。ではまたおやすみなさいzz...

| 投稿者 テニス侍 23:48 | コメント(0)| トラックバック(0)

「水と水とが出会うところ」

こんばんは、とうとう東京も5分間の初雪だそうですね!
私も西新宿を朝8時すぎ歩いているとき、幸運にも風に
乗って横なぐりになった雪状のものを見ることができて、
これが初雪になるのかなー?!と思いましたよ。

さて今日のタイトルはアメリカの短編小説家レイモンド・
カーヴァーの詩集の題です。短編集の「頼むから静かに
してくれ」や「カテドラル」が有名ですよね。私もまた
学生時代に姉のアパートの部屋に転がっているものを
拾ってからどっぷりとはまってしまい、たぶん日本語で
読める小説は全て読んでいます。ジョン・アップダイクの
ように剛性感のあるきっちりしたストーリー構成がある
わけではなく、反対に日常の些事をこんこんと丁寧に描く
ことで、ありふれた人生のどうしようもない行き止まり感や
ひとの気持ちが微妙に揺れ動くさまを確実に伝えてくれる
天才作家だと思います。詩集はまだ読んだことがなかったし、
久しぶりにカーヴァーの世界に入り込みたいと思って購入
しました。まだ読んでいなければ、ぜひ読んでほしい作家です。
ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 01:20 | コメント(0)| トラックバック(0)

「夕凪の街 桜の国」

こんばんは!今日も穏やかで暖かい一日でしたね。
先ほどシングルス練習から戻ってきました。今朝も
2時間ダブルス練習していたため、最初からサーブや
ストロークが調子よく、後半のチャンピオンゲームでは
勝率がかなり良い感じでした。フォアボレーのときには
左肩を入れることと、スマッシュでは力を抜いて左腕の外
からボールを見る感じを意識していました。
さて今日、いつもの映画ブログを見ていたら今年の夏
映画公開される注目作品として、こうの史代さんの代表作
「夕凪の街 桜の国」が話題になっていました。
私がこの120ページほどのマンガを読んだのは去年の春、
発表されてから1年くらいたったあとで、かなり遅かった
のですが初めて読み終わったときの感動というか、なんとも
いえない読後感(しばらくボーっとしました)をいまだに
覚えています。手塚治虫賞も受賞したこの作品は、戦中原爆の
被害に遭いながらもようやく生存して、戦後の広島に暮らす
家族の物語を、ソフトなタッチの絵とシンプルながらよく
考えられたセリフで描かれたものです。作中、病床で握り
締められたハンカチのシーンや、「見てるんでしょう、
お母さん」というセリフの場面では、人間への信頼感とか
歴史の連続性など、多くのメッセージがこめられていると
感じました。作者は広島生まれ30代の若い女性で、
たまたま広島のことを描いてみないかと編集者に言われて
書き始めたらしいです。何度も読み返したのですが、これは
何かを伝えてくれる最高の漫画と思います。まだの方は
ぜひ一度読んでみてください。映画も楽しみですね。
それではまた明日、おやすみなさいzz...


| 投稿者 テニス侍 00:47 | コメント(0)| トラックバック(0)

鈍感力

今日も晴天、日差しも暖かくて過ごしやすい一日でした。
少しの坂道でも歩いていると、うっすらと顔に汗をかく
くらいでしたからね。
私はテニスをやり始めてから、汗腺が年中開くようになって
しまい、少しフットワークが入ると冬でも滝汗状態になり
困ってしまいます。いつも私一人が始めに汗をたくさん
かくものだから、たくさん動いて運動量が多いのでは・・
と誤解されるのですが、単に汗かきなだけでございます。。
杉山選手のように常に細かなステップでハードコートでの
シューズの音楽を奏でたいものですが、現実は・・・。

そういえば昨日、テニス友達の手塚さんから話題本
「鈍感力」を借りて読みました。「些細なことにこだわらず、
くよくよしないで大雑把に強く生きろ」ということなのだと
思います。敏感と鈍感の価値観の逆転をさまざまな具体
事例で示されていて、なるほどなーと思うところが多かった
ですよ。特に男性に比べて女性の方が総じて鈍感力があり、
環境適合能力に優れ、強くたくましく生きていけるようです
が、私のまわりの女性たちも例外ではないようです・・。
ではまた、おやすみなさい。
| 投稿者 テニス侍 00:52 | コメント(4)| トラックバック(0)

ベルンハルト・シュリンク

今日は暖かくて風もなく穏やかな一日でしたね。
夕方仕事でネイルサロンに初めて行きました。予想では
華やかでキラキラなイメージでしたが、実際は職人さんが
お客さんと一対一で向かい合って真剣に打ち合わせしたり
して、意外に地味な感じでしたね。去年開店されたショップ
でしたが、夕方からは連日予約で一杯で、長い方は4時間
以上滞在されることもあるそうでビックリ!!

さて昨日に続いておススメ本の話、ドイツの作家ベルンハルト
・シュリンクです。「朗読者」や「逃げてゆく愛」(短編集)
などでご存知の方も多いと思いますが、読むたびに新しい驚き
にあふれ、読みはじめるととまらずに読み耽ってしまいます。
テーマは重層的で少し堅いかもしれませんが、すんなりと
読めるし、読後にはいずれも静かな感動が得られるのではと
思いおすすめします。みなさまもお勧めな本や作家をぜひ
教えてくださいね!ではまた明日、おやすみなさいzz...

| 投稿者 テニス侍 01:58 | コメント(0)| トラックバック(0)

アゴタ・クリストフ

さあ東京マラソン本番の今日は朝からしっかり雨が降って
本当に寒かったですね。参加・運営のみなさまは
お疲れさまでした。次回からもより良い形で続いていって、
いつか名実ともに日本を代表する大会になったらなと思います。
私も次回は参加申しこみしたいな!と思ってるので、もし
興味ある方は声をかけてください。

さて昨日ですが、いつも行く地元の図書館でジイドを探した
のですが残念ながら無かったので予約し、同じ棚にあった
アゴタ・クリストフを数冊借りてきました。ハンガリー移民の
フランス女性作家で現在70代、寡作で小説では5~6本
しか残していませんが、最高に面白いものばかりと思った
ことを覚えています。私が学生時代に、図書館司書だった
姉が断然オススメとのことで渡してくれたのがキッカケ。
デビュー作「悪童日記」を読んで感動し、すぐに全ての
作品を読んだと思います。まだの方はぜひよんでみて
ください!!この作家の暗示にあふれるユーモアに触れて
少し怖くなるかもしれませんが・・。
それではまた明日、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 00:52 | コメント(2)| トラックバック(0)

小林よしのりと佐藤優

こんばんは。今日も契約者社長ご夫妻と夜食事をして
遅くなりました。社長夫人は若くして都内のある
大病院の看護師長さんで、たいへん興味深い話を
いくつも聞けましたよ。でもちょっと笑えない怖い
話もありましたが。。さて、あす9時の新幹線で京都入りです。
これから荷物やります・・。

今日は午後時間が空いたので、五反田の明屋書店で
正月休み用の本を物色していたら、面白そうな本が
今週あたまに出ていました。㈱イースト・プレス発行の
「アメリカの日本改造計画」関岡英之編集という単行本
です。なんといっても注目は佐藤優(起訴休職外務事務官)
さんと小林よしのりさんの編者との対談で、これはと
即入手しました。
お二人とも底知れぬバイタリティで、私たちの国日本に
山積する課題について常に真摯な発言をされていて、
私はとても尊敬しています。
今度、読後の感想をアップしますね。ではおやすみなさいzzz..
| 投稿者 テニス侍 01:06 | コメント(0)| トラックバック(0)

「早く飛び込め!!」

こんばんは~。
今日はいい天気でしたが寒かったですね。
さて昨日購入した新書「世界の日本人ジョーク集」を
夢中に読んでしまいましたー!
むかし青年時代には、若すぎて(マジメすぎて?!)
笑えなかった日本や日本人のことを、世界の人々が
どう面白い話にしているのか、気楽に楽しめました。
ご存知の方も多いかと思いますが、せっかくなので
一つだけ紹介します。

ある豪華客船が沈みだした。船長は世界各国の
乗客たちを速やかに船から脱出させて海に飛び込ませるよう
指示しなければならなかった。
船長は外国人乗客にこう言った。
アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄ですよ」
イギリス人には「とびこめばあなたは紳士です」
ドイツ人には「飛び込むのがこの船の規則です」
イタリア人には「飛び込むと女性にもてますよ」
フランス人には「どうか飛び込まないでください」
日本人には「みんな飛び込んでますよ」
(早坂 隆著「世界の日本人ジョーク集」中公新書ラクレ)

またおもしろい本ないかな~と、今日もお昼頃、
品川駅構内のヤンレイブックガーデンでいま話題の
白洲次郎ものをついに入手しました
(単行本と文庫を・・かなりミーハーです)。
戦中・戦後の大混乱にあっても、自分の信じる
道義に従い、流されず、最後まで貫いたその生き方に、
日本人の大先輩として格好よさや尊敬の念を覚えます。
皆さんのおすすめの本も、ぜひ教えてくださいね~!!
ではまた明日、おやすみなさいzzz...
| 投稿者 テニス侍 23:41 | コメント(0)| トラックバック(0)
<<  2012年 7月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最近のコメント
fds1213fds…
iphone4s ケース ディズニー 01/19 01:51
おつかれさまでした。…
テニス侍 08/03 12:56
お疲れ様でした。…
haru-sci 08/01 13:16
ほんとうに大変だった…
テニス侍 07/04 00:45
世の中はいい人間と悪…
haru-sci 07/03 19:35
藤Mさんコメントあり…
テニス侍 07/03 10:07
こんばんは!初めてお…
ポメラニアン 07/03 00:49
久しぶり、みな元気で…
テニス侍 04/11 11:00
札幌より、久しぶり、…
かずや 04/10 20:36
めっきり寒くなりまし…
テニス侍 12/02 09:58
最近のトラックバック
くちこみブログ集(国…
09/07 09:03
小田和正×さだまさし…
03/05 17:27
不完全なふたり 【称…
10/27 10:14
トマトジュースの成分
08/12 10:14
インランド・エンパイ…
07/30 16:51
このブログサービスは「テニス365 テニスブログ」で運営しています。テニス365会員なら無料でご利用・作成いただけます。