2008年04月22日
廃墟の上でダンス
こんばんは。今週はお天気もそれほど大きく崩れないようですね。
特に週末は気になりますが・・。東京も今日は穏やかな陽気で
過ごしやすい一日でした。昨日夜、久しぶりに札幌の兄に電話した
ところ北海道も最近なぜかすごく暖かいらしく、今日などは
最高気温23℃!!と東京より高いそうです。気象もどこか
おかしくなっているのですね。。
さてこの前の土曜の朝、仕事で東京大田区の下丸子というところに
行ってきました。ちなみにこの駅自体は東急線のこじんまりとした
駅なんですが、近くにはあのお馴染み「キヤノン」本社がある
ところなんですよ。でちょっと約束の時間までヒマがあったので、
去年秋ごろ駅前にできたという「コメダ珈琲店」に初めて入って
みました。この喫茶店、知る人ぞ知る名古屋発のチェーン店で、
東京初出店がこの下丸子店だそうです。ここのウリは、ふつうの
コーヒーを頼むと午前11時までなんですが、なんとトーストと
ゆで卵が無料サービスで付いてくること!!ボリュームたっぷり
です!なんでも人口当たりの喫茶店数が最も多いのは岐阜と愛知
だそうで、この地域はとても合理的な考え方をされる風土らしく、
特に中小企業経営者は社内に無駄な面談スペースなど設けず、
ちょっと出掛けて外の喫茶店で商談をしてきた歴史があるそう
なのですね~。
それに中小の工場は昔から織機や旋盤など比較的大きな音の出る
機械が多くて、話しづらかったせいもあるそうです。こんな話は
たまたまお邪魔したお客さんの奥様が愛知ご出身で、私がコメダ
さんに行ったと言うとそんな話をしてくれたのですが、最後に
「でも農家の人たちも、手が空くと老若男女みんな喫茶店に
たむろしてくるんですよ、きっと話をするのが何より好きなんです
よね~!」とのことです・・。
そうか~、気の許せる友人や仲間たちとゆったり気ままに話す
ことは、本当に楽しく満足感のあることですものね。このコメダ
珈琲店、コーヒーの味も本格的で美味しく、食事メニューもまるで
ファミレスのように豊富でしたので、お近くの方はぜひ一度
のぞいてみてください。
さて週末読んだ本は、ロシア連邦西南の小国チェチェンで生まれ
育った79年生まれの女性ジャーナリストが、ロシア軍からの
執拗な攻撃で廃墟と化してしまった祖国の悲惨な状況を冷静に
綴った実話です。帝国主義大国が、圧倒的な軍事力を背景に、
独自の歴史を有する民族を弾圧して独立を妨害する図式はチベットや
内モンゴルと同様ですが、ロシアでも報道も厳しく統制されていて、
反体制ジャーナリストがこの数年だけでも数百人単位で暗殺
(または不可思議な事故や行方不明)されており、この若い著者
ミラーナはこの本を発表しただけでも死の覚悟だったろうと思います。
まずは95年1月の第一次紛争で首都グローズヌイを占拠し、
周辺の村々でも軍による大虐殺が繰り返された際、チェチェン人の
民兵が一般の人々を守ろうと立ち上がった描写のところをご紹介
したいと思います。
「村には少しずつレジスタンスが入り込んできて、村を守ろうと
してくれた。戦闘員の多くはとても若く、祖母などは泣きながら
彼らを抱きしめずにはいられなかったほどだ。ほかの人のように
逃げることもできたのに、よそで生きることも、勉強を続ける
ことも、仕事を見つけることも、そして家族を持つこともできた
だろうに、彼らはそうしなかった。そうしたからといって誰が
とがめるわけでもない。それなのに、彼らは私たちのために、
私たちの家のために、私たちの自由のために戦うことを選んだ。
だから、最近になって安全な国にいる人々が彼らのことをテロリスト
呼ばわりしたり、ロシア兵と一緒くたにしてどっちもどっちだ
と言うのを聞くと、どうにも腹が立ってたまらない。
私は彼らが真剣な顔で、あるいは微笑みながら死に立ち向かう姿を
この目で見た。たしかに熱狂に身を任せ、常軌を逸した卑劣な
行為に走った者もいる。けれど、レジスタンスの圧倒的多数は
私たち市民を救うために戦ったのだ。いや、いまもなお戦っている。
オレホヴォやグローズヌイで出会ったあの戦闘員たちの顔を、
私は決して忘れない。彼らには墓もレクイエムもない。彼らは
讃辞を求めるでも、憤りを口にするでもなく、文字どおりなんの
見返りも求めずに死んでいったのだ。
だから、せめて侮辱しないでほしい。」
私たちはチェチェン問題というと、ロシアの公式発表や2002年の
モスクワ劇場占拠などを基にして、イスラム過激派が主導する
テロリストだという誤解をしていることが多いですが、少し事情を
知るだけでそんな単純な問題ではあり得ないことがよくわかります。
多くの無垢なレジスタンスの死の前で、「知らないでいること」は
侮辱することと同義なのかもしれません。
また著者ミラーナが2005年、パリ政治学院で学んでいた際に
あのポーランドのアウシュヴィッツ収容所を見学する機会があり、
その場でこの収容所の生き残りである男性のバロンさんと、
ルワンダ大虐殺を奇跡的に生き延びたツチ族女性のアニックさんが
話し込んでいるその内容に耳を傾けたくだりが特に印象的でしたので
ぜひご紹介したいと思います。
「つまりルワンダで生存者が続けている儀式と同じなんですね。
殺された近親者の名前を延々と唱えつづける儀式なんです。
だって、彼らのことを忘れたりしたら、それはもう一度殺すような
ものですものね。でも、十年たってもまだむなしさを受け入れる
ことができなくて・・。このむなしさを、いつかは受け入れられる
ものなんでしょうか?」
「いや、そのむなしさから逃れることはできませんよ。私はこの
収容所を出てからもう何十年にもなりますが、じつはいまだに
誰にも言えずにいることがたくさんあるんです。言葉にならない
からではなく、たとえ言葉にしても、誰にも本当のところは
わかってもらえないからです。体験した者にしかわからないことが
あるんです。だから、いまだってあのときと同じように、いや、
むしろあのとき以上に苦しいんです。でも、そうやって生きて
いくしかありません。一生ね。あなたもその苦しみを乗りこえる
ことはできないでしょう。乗りこえるのではなく、かかえて生きて
いくしかないんですよ」
「でもこのままだと、憎しみや怒りに救いをもとめてしまいそう
なんです。いつでも体のなかに怒りをかかえている感じがして・・。
あなたはどうしてそんなに穏やかに、落ち着いていられるんです?」
「私も闘っています。憎しみを感じなくなったわけではありません。
いまでも憎しみでいっぱいですよ。時間がたてば赦せるようになると
いった問題ではありませんからね。あの死者たちの名にかけて、
赦すことはできません。大事なのはその憎しみを生きる力に変える
ことです。憎しみに身をゆだねてしまうのではなくてね」
ミラーナ・テルローヴァ『廃墟の上でダンス』ポプラ社
『憎しみに身をゆだねるのではなく、その苦しみを抱えながら
生きる力に変える』。60年もの長い間、自問を繰り返した
バロンさんが、誰にも言えないほどのたくさんの苦しみを抱えつつ
教えてくれた言葉は何よりも重いと思います。今回の争いで
また多くの憎しみと悲しみに打ちひしがれたチェチェンの
人々は今、ロシア支持の大統領カディーロフのもと、何も言えない
恐怖政治と闘い、また絶望と闘っている・・。
最後にパリ留学からチェチェンに帰国されたというミラーナさんの
身の安全を何より祈っています。
それでは、おやすみなさいzz...
特に週末は気になりますが・・。東京も今日は穏やかな陽気で
過ごしやすい一日でした。昨日夜、久しぶりに札幌の兄に電話した
ところ北海道も最近なぜかすごく暖かいらしく、今日などは
最高気温23℃!!と東京より高いそうです。気象もどこか
おかしくなっているのですね。。
さてこの前の土曜の朝、仕事で東京大田区の下丸子というところに
行ってきました。ちなみにこの駅自体は東急線のこじんまりとした
駅なんですが、近くにはあのお馴染み「キヤノン」本社がある
ところなんですよ。でちょっと約束の時間までヒマがあったので、
去年秋ごろ駅前にできたという「コメダ珈琲店」に初めて入って
みました。この喫茶店、知る人ぞ知る名古屋発のチェーン店で、
東京初出店がこの下丸子店だそうです。ここのウリは、ふつうの
コーヒーを頼むと午前11時までなんですが、なんとトーストと
ゆで卵が無料サービスで付いてくること!!ボリュームたっぷり
です!なんでも人口当たりの喫茶店数が最も多いのは岐阜と愛知
だそうで、この地域はとても合理的な考え方をされる風土らしく、
特に中小企業経営者は社内に無駄な面談スペースなど設けず、
ちょっと出掛けて外の喫茶店で商談をしてきた歴史があるそう
なのですね~。
それに中小の工場は昔から織機や旋盤など比較的大きな音の出る
機械が多くて、話しづらかったせいもあるそうです。こんな話は
たまたまお邪魔したお客さんの奥様が愛知ご出身で、私がコメダ
さんに行ったと言うとそんな話をしてくれたのですが、最後に
「でも農家の人たちも、手が空くと老若男女みんな喫茶店に
たむろしてくるんですよ、きっと話をするのが何より好きなんです
よね~!」とのことです・・。
そうか~、気の許せる友人や仲間たちとゆったり気ままに話す
ことは、本当に楽しく満足感のあることですものね。このコメダ
珈琲店、コーヒーの味も本格的で美味しく、食事メニューもまるで
ファミレスのように豊富でしたので、お近くの方はぜひ一度
のぞいてみてください。
さて週末読んだ本は、ロシア連邦西南の小国チェチェンで生まれ
育った79年生まれの女性ジャーナリストが、ロシア軍からの
執拗な攻撃で廃墟と化してしまった祖国の悲惨な状況を冷静に
綴った実話です。帝国主義大国が、圧倒的な軍事力を背景に、
独自の歴史を有する民族を弾圧して独立を妨害する図式はチベットや
内モンゴルと同様ですが、ロシアでも報道も厳しく統制されていて、
反体制ジャーナリストがこの数年だけでも数百人単位で暗殺
(または不可思議な事故や行方不明)されており、この若い著者
ミラーナはこの本を発表しただけでも死の覚悟だったろうと思います。
まずは95年1月の第一次紛争で首都グローズヌイを占拠し、
周辺の村々でも軍による大虐殺が繰り返された際、チェチェン人の
民兵が一般の人々を守ろうと立ち上がった描写のところをご紹介
したいと思います。
「村には少しずつレジスタンスが入り込んできて、村を守ろうと
してくれた。戦闘員の多くはとても若く、祖母などは泣きながら
彼らを抱きしめずにはいられなかったほどだ。ほかの人のように
逃げることもできたのに、よそで生きることも、勉強を続ける
ことも、仕事を見つけることも、そして家族を持つこともできた
だろうに、彼らはそうしなかった。そうしたからといって誰が
とがめるわけでもない。それなのに、彼らは私たちのために、
私たちの家のために、私たちの自由のために戦うことを選んだ。
だから、最近になって安全な国にいる人々が彼らのことをテロリスト
呼ばわりしたり、ロシア兵と一緒くたにしてどっちもどっちだ
と言うのを聞くと、どうにも腹が立ってたまらない。
私は彼らが真剣な顔で、あるいは微笑みながら死に立ち向かう姿を
この目で見た。たしかに熱狂に身を任せ、常軌を逸した卑劣な
行為に走った者もいる。けれど、レジスタンスの圧倒的多数は
私たち市民を救うために戦ったのだ。いや、いまもなお戦っている。
オレホヴォやグローズヌイで出会ったあの戦闘員たちの顔を、
私は決して忘れない。彼らには墓もレクイエムもない。彼らは
讃辞を求めるでも、憤りを口にするでもなく、文字どおりなんの
見返りも求めずに死んでいったのだ。
だから、せめて侮辱しないでほしい。」
私たちはチェチェン問題というと、ロシアの公式発表や2002年の
モスクワ劇場占拠などを基にして、イスラム過激派が主導する
テロリストだという誤解をしていることが多いですが、少し事情を
知るだけでそんな単純な問題ではあり得ないことがよくわかります。
多くの無垢なレジスタンスの死の前で、「知らないでいること」は
侮辱することと同義なのかもしれません。
また著者ミラーナが2005年、パリ政治学院で学んでいた際に
あのポーランドのアウシュヴィッツ収容所を見学する機会があり、
その場でこの収容所の生き残りである男性のバロンさんと、
ルワンダ大虐殺を奇跡的に生き延びたツチ族女性のアニックさんが
話し込んでいるその内容に耳を傾けたくだりが特に印象的でしたので
ぜひご紹介したいと思います。
「つまりルワンダで生存者が続けている儀式と同じなんですね。
殺された近親者の名前を延々と唱えつづける儀式なんです。
だって、彼らのことを忘れたりしたら、それはもう一度殺すような
ものですものね。でも、十年たってもまだむなしさを受け入れる
ことができなくて・・。このむなしさを、いつかは受け入れられる
ものなんでしょうか?」
「いや、そのむなしさから逃れることはできませんよ。私はこの
収容所を出てからもう何十年にもなりますが、じつはいまだに
誰にも言えずにいることがたくさんあるんです。言葉にならない
からではなく、たとえ言葉にしても、誰にも本当のところは
わかってもらえないからです。体験した者にしかわからないことが
あるんです。だから、いまだってあのときと同じように、いや、
むしろあのとき以上に苦しいんです。でも、そうやって生きて
いくしかありません。一生ね。あなたもその苦しみを乗りこえる
ことはできないでしょう。乗りこえるのではなく、かかえて生きて
いくしかないんですよ」
「でもこのままだと、憎しみや怒りに救いをもとめてしまいそう
なんです。いつでも体のなかに怒りをかかえている感じがして・・。
あなたはどうしてそんなに穏やかに、落ち着いていられるんです?」
「私も闘っています。憎しみを感じなくなったわけではありません。
いまでも憎しみでいっぱいですよ。時間がたてば赦せるようになると
いった問題ではありませんからね。あの死者たちの名にかけて、
赦すことはできません。大事なのはその憎しみを生きる力に変える
ことです。憎しみに身をゆだねてしまうのではなくてね」
ミラーナ・テルローヴァ『廃墟の上でダンス』ポプラ社
『憎しみに身をゆだねるのではなく、その苦しみを抱えながら
生きる力に変える』。60年もの長い間、自問を繰り返した
バロンさんが、誰にも言えないほどのたくさんの苦しみを抱えつつ
教えてくれた言葉は何よりも重いと思います。今回の争いで
また多くの憎しみと悲しみに打ちひしがれたチェチェンの
人々は今、ロシア支持の大統領カディーロフのもと、何も言えない
恐怖政治と闘い、また絶望と闘っている・・。
最後にパリ留学からチェチェンに帰国されたというミラーナさんの
身の安全を何より祈っています。
それでは、おやすみなさいzz...
気候も結構暖かくなってきましたね!
ツヨシさんは営業で色んな地に行く事があって
そこの雰囲気やお店や町並みなど色々見たりしてその感想とか
聞いたりこうやって読んだりするのがとても楽しいです!
ボリュームあるトーストが無料で付くなんて素敵な喫茶店
ですね!
私も近いうち、ゴールデンウィーク、盆、年末年始の連休は旅に出るようにしようかな・・・と考えています
旅行もいいですね、、このあいだ書いたホタテ貝では
ありませんが、むしょうに移動したくなるときが
ありますよね。テニスできないのはさびしくなりますけども・・