2008年08月29日
メロスたちの夏
こんばんは。今週もボーとしているとすぐに週末となってしまい
ました~。特に今週は全米オープンが始まっていて、連夜の熱戦に
ついつい寝不足の毎日。。
ご存じ期待の錦織選手はきのう3回戦進出を決めましたね!
1回戦はシード選手のモナコに完璧な勝利、2回戦の相手は
クロアチアのランク100位ほどの選手、最後は少々お付き合い
ミスをしながらも、歴然とした力の差を見せつけていました、
本当強くなったね~。3回戦の相手は世界4位のフェレール選手
で、去年の有明AIGオープン前夜祭にてエキシビジョンマッチを
戦い、結果4ゲームオールだったと思います。
どちらの選手もストローク力が特に優れ、質の高いラリー戦を
見ることができるでしょう、楽しみです!!休日も深夜まで眠れ
ませんね。負けず嫌いフェデラーの5連覇か、それとも新チャンプの
ナダルがフレンチからのGS連勝を続けるのか、今年の全米も
目が離せない2週間となっています。
そして日曜日の正午には、晩夏の札幌市街を走る注目の大イベント
「北海道マラソン」がスタートします。ランニングクラブSWAC
からはトップ選手の吉田香織さんと、30人ほどの会員が出場すると
いうことで、普段の練習から一緒に走っているメンバーそれぞれが
納得のいく走りを出せるよう、TVで応援するつもりです。
天気は晴れ、気温27℃と少し高めの予報です、みんな飛ばしすぎ
ないように笑顔でゴールして欲しいと思います。
そういえば最近は、新しく借りた事務所の近くでお昼を食べる
ことが多いのですが、1軒お気に入りの店ができ既に何度も通って
いるんですよ。事務所から歩いて1分足らずのお店の名は
「嘉門」さん、こだわりの日本酒を出す小さな飲み屋さんが昼時も
営業している様子でして、11時半から午後1時まで、親父さん
一人で切り盛りしています。日替わりの和食メニューは写真の
ように筆で書かれて店の前に貼り出され、その1種類しか選べ
ません。まず何よりもご飯が粘り強くてモチモチと美味しく、
味噌汁もダシが香り高くて、さらに漬け物も申し分ありません。
12時過ぎに行くともう長蛇の列をなしているような人気店ですが、
そういった評価もよく頷けます。ごく質素ながら清潔で感じの良い
お店ですので、おススメですよ!
さて最後に今週読んだランニング関連の新刊をご紹介します~!
タイトルは「メロスたちの夏」というもので、ウルトラマラソンを
何十回と走られたベテランランナー夜久 弘さんが、27年前
マンガ誌の編集者時代、極めて不健康な生活を改めようと
ランニングを始めたころからの自分史が刻まれています。
その中で、あるウルトラマラソンで知り合ったタレントの西村知美
さんがふと口にされた言葉に心を動かされた箇所が特に印象に
残ります。
「『みなさんは100kmを日帰りで走られるのですね。すごいなあ』
その年の夏、西村さんはテレビの企画で100kmに挑戦していた。
走ることを普段の生活には取り入れていない華奢なタレントに
とって、その『仕事』がどれほどの苦痛を伴ったかは容易に想像
できる。20数時間をかけ、日付を越えて100kmを移動する
行為はまさに苦行だっただろう。その西村さんの目の前にいるのは、
同じ距離を走るために仕事ではなく『走りたくて』集まった千人もの
集団だったのだ。ランナーたちの嬉々とした表情、そこに渦巻いて
いる熱気、それは掛け値なしに『すごいなあ』だったのだ。
ぼくが西村さんの挨拶でハッとさせられたのは『日帰り』という
言葉だった。彼女は単に自分が走った100kmと比べて所要
時間(制限時間)が短いことを言ったのかもしれない。けれども、
ぼくには『日帰り』が『日帰り旅行』の意味に聞こえた。そして、
そう捉えたことですんなりと頭の中に入ってきた。100kmの
ウルトラマラソンは『走る日帰り旅行』なのだと目からボロリと
うろこが落ちた。
宿泊を伴う旅行には目的地に向かう楽しさと目的地での楽しさが
ある。日帰り旅行にも同様の楽しさがあるにしても、圧倒的に
占める割合は、移動している時間である。その行程をエンジョイ
しなければ、日帰り旅行の魅力は半減してしまう。その伝で言えば、
ウルトラマラソンの場合は目的地(ゴール)に向かう行程そのもの
で成立している、まさに究極の日帰り旅行である。しかもその
移動手段は電車やバスによって運ばれるのではなく、自前の脚
という動力で、自身で決めたスピードなのだ。純度100パーセント
の手作り日帰り旅行みたいなものだ。
何十回とウルトラを経験し、ときベテランの100kmランナー
と呼ばれるぼくではあるけれども、走っていてイヤになることは
しばしばあった。中盤を過ぎ、脚力の衰えた脚ではなかなか距離が
消化できない。そんなとき、ついついグチがこぼれた。
『ゴールはまだか』『早くゴールにたどり着いて解放されたい』
日帰り旅行のもっとも楽しむべき位置にいて、それを放棄しようと
していたのだと教えられた。そのとき、その場所を走っている
ことを楽しめばいい、その結果がゴールに結びつくのだとわかった。
(中略)
16度『サロマ湖100kmウルトラマラソン』の舞台に立った。
スタート地点の自分はいつも同じだった。完走を目指して走り出す、
ただそれだけのことだった。実にシンプルだ。けれども、経過も
結果もすべてが違った。同じレースなどひとつもなかった。
そのありようが人生に思えた。人生は一度だけれども、人生を
仮託したウルトラマラソンならば、参加した数だけ異なった人生が
味わえる。なんとぜいたくなイベントであることか。」
夜久 弘「メロスたちの夏」ランナーズ刊
マラソンレースに人生を仮託すると、レースの数だけ異なった
人生を味わえる・・。フルも、そしてもちろんウルトラもいまだ
未経験の私ですが、大先輩からこんな言葉を頂くと、ぜひとも早く
味わってみたい!と思ってしまいました。そしてレースに限らず、
私たちのふだんの生活においても、今まさにこの瞬間こそが
「日帰り旅行のもっとも楽しむべき位置」にいるのだ、と思えると
いいですね。いつも性急な結果を求めがちな私の、自省をこめて。
ではまた、明日午前は久し振り皇居ランです。楽しみま~す!!
ました~。特に今週は全米オープンが始まっていて、連夜の熱戦に
ついつい寝不足の毎日。。
ご存じ期待の錦織選手はきのう3回戦進出を決めましたね!
1回戦はシード選手のモナコに完璧な勝利、2回戦の相手は
クロアチアのランク100位ほどの選手、最後は少々お付き合い
ミスをしながらも、歴然とした力の差を見せつけていました、
本当強くなったね~。3回戦の相手は世界4位のフェレール選手
で、去年の有明AIGオープン前夜祭にてエキシビジョンマッチを
戦い、結果4ゲームオールだったと思います。
どちらの選手もストローク力が特に優れ、質の高いラリー戦を
見ることができるでしょう、楽しみです!!休日も深夜まで眠れ
ませんね。負けず嫌いフェデラーの5連覇か、それとも新チャンプの
ナダルがフレンチからのGS連勝を続けるのか、今年の全米も
目が離せない2週間となっています。
そして日曜日の正午には、晩夏の札幌市街を走る注目の大イベント
「北海道マラソン」がスタートします。ランニングクラブSWAC
からはトップ選手の吉田香織さんと、30人ほどの会員が出場すると
いうことで、普段の練習から一緒に走っているメンバーそれぞれが
納得のいく走りを出せるよう、TVで応援するつもりです。
天気は晴れ、気温27℃と少し高めの予報です、みんな飛ばしすぎ
ないように笑顔でゴールして欲しいと思います。
そういえば最近は、新しく借りた事務所の近くでお昼を食べる
ことが多いのですが、1軒お気に入りの店ができ既に何度も通って
いるんですよ。事務所から歩いて1分足らずのお店の名は
「嘉門」さん、こだわりの日本酒を出す小さな飲み屋さんが昼時も
営業している様子でして、11時半から午後1時まで、親父さん
一人で切り盛りしています。日替わりの和食メニューは写真の
ように筆で書かれて店の前に貼り出され、その1種類しか選べ
ません。まず何よりもご飯が粘り強くてモチモチと美味しく、
味噌汁もダシが香り高くて、さらに漬け物も申し分ありません。
12時過ぎに行くともう長蛇の列をなしているような人気店ですが、
そういった評価もよく頷けます。ごく質素ながら清潔で感じの良い
お店ですので、おススメですよ!
さて最後に今週読んだランニング関連の新刊をご紹介します~!
タイトルは「メロスたちの夏」というもので、ウルトラマラソンを
何十回と走られたベテランランナー夜久 弘さんが、27年前
マンガ誌の編集者時代、極めて不健康な生活を改めようと
ランニングを始めたころからの自分史が刻まれています。
その中で、あるウルトラマラソンで知り合ったタレントの西村知美
さんがふと口にされた言葉に心を動かされた箇所が特に印象に
残ります。
「『みなさんは100kmを日帰りで走られるのですね。すごいなあ』
その年の夏、西村さんはテレビの企画で100kmに挑戦していた。
走ることを普段の生活には取り入れていない華奢なタレントに
とって、その『仕事』がどれほどの苦痛を伴ったかは容易に想像
できる。20数時間をかけ、日付を越えて100kmを移動する
行為はまさに苦行だっただろう。その西村さんの目の前にいるのは、
同じ距離を走るために仕事ではなく『走りたくて』集まった千人もの
集団だったのだ。ランナーたちの嬉々とした表情、そこに渦巻いて
いる熱気、それは掛け値なしに『すごいなあ』だったのだ。
ぼくが西村さんの挨拶でハッとさせられたのは『日帰り』という
言葉だった。彼女は単に自分が走った100kmと比べて所要
時間(制限時間)が短いことを言ったのかもしれない。けれども、
ぼくには『日帰り』が『日帰り旅行』の意味に聞こえた。そして、
そう捉えたことですんなりと頭の中に入ってきた。100kmの
ウルトラマラソンは『走る日帰り旅行』なのだと目からボロリと
うろこが落ちた。
宿泊を伴う旅行には目的地に向かう楽しさと目的地での楽しさが
ある。日帰り旅行にも同様の楽しさがあるにしても、圧倒的に
占める割合は、移動している時間である。その行程をエンジョイ
しなければ、日帰り旅行の魅力は半減してしまう。その伝で言えば、
ウルトラマラソンの場合は目的地(ゴール)に向かう行程そのもの
で成立している、まさに究極の日帰り旅行である。しかもその
移動手段は電車やバスによって運ばれるのではなく、自前の脚
という動力で、自身で決めたスピードなのだ。純度100パーセント
の手作り日帰り旅行みたいなものだ。
何十回とウルトラを経験し、ときベテランの100kmランナー
と呼ばれるぼくではあるけれども、走っていてイヤになることは
しばしばあった。中盤を過ぎ、脚力の衰えた脚ではなかなか距離が
消化できない。そんなとき、ついついグチがこぼれた。
『ゴールはまだか』『早くゴールにたどり着いて解放されたい』
日帰り旅行のもっとも楽しむべき位置にいて、それを放棄しようと
していたのだと教えられた。そのとき、その場所を走っている
ことを楽しめばいい、その結果がゴールに結びつくのだとわかった。
(中略)
16度『サロマ湖100kmウルトラマラソン』の舞台に立った。
スタート地点の自分はいつも同じだった。完走を目指して走り出す、
ただそれだけのことだった。実にシンプルだ。けれども、経過も
結果もすべてが違った。同じレースなどひとつもなかった。
そのありようが人生に思えた。人生は一度だけれども、人生を
仮託したウルトラマラソンならば、参加した数だけ異なった人生が
味わえる。なんとぜいたくなイベントであることか。」
夜久 弘「メロスたちの夏」ランナーズ刊
マラソンレースに人生を仮託すると、レースの数だけ異なった
人生を味わえる・・。フルも、そしてもちろんウルトラもいまだ
未経験の私ですが、大先輩からこんな言葉を頂くと、ぜひとも早く
味わってみたい!と思ってしまいました。そしてレースに限らず、
私たちのふだんの生活においても、今まさにこの瞬間こそが
「日帰り旅行のもっとも楽しむべき位置」にいるのだ、と思えると
いいですね。いつも性急な結果を求めがちな私の、自省をこめて。
ではまた、明日午前は久し振り皇居ランです。楽しみま~す!!
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