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ツヨシ、しっかりしなさい!! テニス侍&ジョグ侍ツヨシです!<記録>フル3'38"58('09.04かすみがうら)ハーフ1'35"50('09.04焼津)10k40'48('09.05葛西臨海公園)

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「リビアの小さな赤い実」

こんばんは。今日も過ごしやすく良いお天気でしたね~。
今日の午後、仕事で精神科のお医者さんを訪問したの
ですが、なんと今年の夏ロシアで強盗に襲われたという
話をお聞きし、その手口の乱暴さに驚きました。

何でも、極東地域ハバロフスクに政府の仕事で医療施設の
視察に行った際、レストランで助手の日本人学生と夕食を
取っていたところ、偶然近くにいた数名の現地ロシア人と
親しくなったそうです。友好の記念として、ロシア人の
アーミーナイフと学生の腕時計をそれぞれ交換してその場は
別れたそうですが、その後レストランを出たところで急に
そのロシア人たちに車で拉致され、パスポートや財布ほか
身ぐるみはがされ、抵抗したら乱暴されてひどいケガまで負って
しまわれたとのことです。
ロシアも近年貧富の差がどんどん激しくなっていて、治安が
ものすごく悪化しているらしく、特に日本人が狙われている
ようなので、みなさん十分に気をつけましょう。

そのあと夕方、歯医者さんでハロウィーンのかわいい現場を目撃!
仮装した小さい女の子が次々と受付に集まっては、
「とりっくおあとりーと ちょうだーい!!」と脅して(?)いました。
先生もその都度顔を出してお菓子を手渡したあと、
「食べたらちゃんと歯を磨くんだよ~」と伝えるのですが、、
(その言葉はあまり聞こえていないようです)
みんなとにかく嬉しそうな笑顔で満足そうに帰っていきましたよ~。
あと歯科助手の方たちも可愛らしいカチューシャなどをしたりして、
雰囲気を盛り上げていました。

あと先日、ある方からいただいたコメントを読んで
軽い気持ちで手にした一冊が、予想以上に読み応えが
あって面白かったのでご紹介しますね。アメリカ生まれの
リビア人作家で、現在はエジプトに亡命している
ヒシャーム・マタールさんの「リビアの小さな赤い実」
という本です。


原題は"In The Country Of Men"、まさにイスラム原理主義による
「男たちの国で」、ある一家の主人とその仲間が反体制派として
独裁政権に反旗を翻す顛末を、その主人の9歳の息子
スライマーンの視点によって語られる構成になっています。
また現実にもカダフィ大佐によって69年から続く独裁政権によって、
著者マタールの父も秘密警察によってエジプトで拉致・投獄され
消息を絶っているということからも、リビアの政治的状況としては
ノンフィクションと言えるかもしれません。

偉大なる「革命指導者」カダフィの政治に異を唱え、その欺瞞を
追及して体制側から追われる身となる少年スライマーンの父と、
夫の理想主義を心底嫌悪し、現実生活を家族を頑なに守ろうとする母。

そしてどこまでも青い地中海や真紅の夕日、白いトリポリの
歴史ある町並みなど、リビアのたぐい稀なる美しい風景を
見事に描く一方で、対照的に友人を裏切ったり父親の秘密を
暴いたり海に溺れる浮浪者をとっさに海に沈めようとしたり、
という少年の心の残酷で醜い部分をも丹念に描きだして
見せる作者の誠実さに心奪われてしまいます。

私が作中で最も印象に残った箇所はこちら。
のちに成人し薬剤師として働くようになった少年が、
喪失感や欠落感を胸に内省して語るところです。

「ぼくたちはなんとたやすく、軽々しく、架空の自分を
手に入れてしまうことだろう。そうすることで世間を
欺き、もし余計なことをせずにいたらなっていたはずの、
ほんとうの自分を欺いているのだ」
ヒシャーム・マタール著「リビアの小さな赤い実」ポプラ社

「ほんとうの」自分と「架空の」自分・・。
自身にしかわからない誤魔化しようのない思いは、一生涯
繰り返し自問自答していく以外に道はないのでしょうね。

こんなにも真剣で美しく思い出に残る作品を紹介して
くださったmaryさん、本当にありがとうございました。

それではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:58 | コメント(2)| トラックバック(0)

ランナーの背中

こんばんは。今日は快晴、最高に気持ち良いお天気に
なってくれました~!
今日は待望の江戸川マラソン大会の日なのです。
緊張のせいか、朝6時くらいにそわそわ目が覚めてしまい、
いろいろ荷物を作りながらも我慢できず8時には出発、
家からバイクで10分足らず、会場の江戸川区陸上競技場に
入りました。
8時からの受付にもかかわらず、すでに多くのランナーが
場内でアップを始めていました。私はまずスタンドに上がり、
ゼッケンをピンでシャツの胸と背中に止めてから、じっくり準備体操。
軽くアップをしながら「やけに暑いなー」と思ってフィールド内の
温度計に目をやると、まだ9時前なのに20℃を指しています。
大丈夫かな。。

9時の開会式のあと親子2キロの部からスタートしました!
お父さんと子供が、手をつないで楽しそうにトラックを1周して
外に出ていきます。次に小学生の部や2キロ、3キロの部が
コースに出て行ったあと、とうとう10キロのスタート!!
アナウンスでは1040人がスタートラインに付いたそうです。
緊張感のせいか、若干頭痛がしてきましたー。
トラック1周半したあと外に出るのですが、トラック内が大渋滞で
結局最初の1キロに6分30秒もかかってしまいました。
これは制限時間を守れないと焦って、場外から少しペースアップ。
その後は何とかキロ5分のペースを保ち、無事3キロ5キロ地点を通過、
体調もすごく良くて快調~。途中の応援の方々が、温かい言葉を
かけてくれて、とにかく嬉しい!
葛西臨海公園の大観覧車の傍を通りすぎて8キロを過ぎ、競技場に
戻ってきてようやくゴール!!
タイムは51分31秒、70分の制限時間内に完走した方845人中
388位とのことでした。
今回は完走が目標だったのですが、特にひどく苦しくてダメという
こともなく、終始いいペースで走れました。また途中の海や川の
眺めもよくて気持ち良かったし、沿道の声援もすごくて
楽しかったです。あと終わった後の開放感!記録や勝敗うんぬん
ではなく、何ともいえない充実感がありますね!!


そして今回初めて思ったのは、一人練習で走るのも気楽で良い
のですが、同じレースに出ている何百人の人の背中を見ながら
走るのって、なぜか勇気が出るというか、何とかなるかなーと
思えるということ。前を走る人の背中に引っ張られて完走できた
のかな、と思います。そしてまた次のレースに出たいな!と
思ってしまいました。
昨日雨で練習できなかったので、「ランネット」というサイトを偶然
発見しました。ランナーには有名なHPかも知れませんが、
自分の練習記録や今現在申込みできる全国のレースも簡単に検索
できたり、ゼッケン番号を入れると自分や仲間の大会記録が
すぐに調べられたりと、すごく役立つサイトです。興味ある方は
ぜひ一度ご覧ください。
また練習して、とりあえず45分切れるように、あとハーフに
出られるよう頑張りたいと思ってます!


さあ、とりあえず次はテニス!来月の区民大会本戦に向けてシングルス練習です。
ではまた、おやすみなさいzz...
マラソン大会 | 投稿者 テニス侍 23:11 | コメント(6)| トラックバック(0)

オルフェウスの竪琴

こんばんは。今日は台風の影響で一日中荒天でしたね~。しかし
今年は関東地方にくる台風が少ないですよね。暑さも長く続いた
から、これからたくさんやってくるのかもしれませんね。
今日は、明朝の江戸川マラソン大会に向けて最後の調整をしようと
思ってたのですが、残念・・。明日は台風一過、快晴の予報なので、
楽しんで10キロ完走を果たしたいと思っています。

昨日の夜ですが、待望のBONNIE PINKライブに行ってきました!
想像以上に楽しめましたよ~。95年のデビュー以来初めての
武道館、満員の7千人の前でバンドメンバーとすごく楽しそうに演じていて、
舞台上に飾られた特大モニターの映像にも、歌っているときの
すごく充実した表情が映っていたのが印象的でした。
そして多くのメディアや友人からのお祝いの生花が、ホール入口に
無数に並べられていて特別な夜を彩り、最高にキレイ~!!



そういえば以前、彼女がある音楽雑誌のインタビューで、曲を作って
いるときの様子を聞かれたときの答えが、ちょっと面白くて覚えています。

「それは鶴が機を織るような状態で、決して人に見せられるような
様相ではありません」とのこと。

それはそれでどんな風なのか、見てみたくなる気もしますけどね。

同時にまた、禁じられたものを見てしまうということで、あの有名な
ギリシア神話の物語も思い出します。「オルフェウスの竪琴」の悲しいお話。

ギリシア一の竪琴弾きオルフェウス。
彼の奏でる美しい音色は、森の木々や動物たちもうっとりするほど。
やがてオルフェウスは、美しい森の妖精エウリディケを妻に娶り、
とても幸せでした。しかし結婚してまもなく、彼女は毒蛇にかまれて、
命を落としてしまいます。

彼は、エウリディケの死をどうしても受け入れることができず、
なんとか妻を取り戻すべく冥土の世へ立ち向かいます。
もちろん死者ではないオルフェウスには冥土に入る資格はなく、
番人たちに道をはばまれます。
しかしオルフェウスは、竪琴を取り出し心を込めてつま弾くと・・、
屈強な番人たちも心を打たれ、彼を冥土の王ハデスの元へ案内します。

ハデス王の前で、妻を想いながら奏でるオルフェウスの琴の音が、
冥土中に切なく響き渡り、この音色にハデスさえもが心底感動し、
エウリディケを地上に戻すことを許してくれました。

しかしこの約束には条件があり、「地上にたどり着くまでのあいだ、
絶対に後ろを振り返ってはいけない」というものでした。
オルフェウスは、喜び勇んで来た道を引き返していきます。
そして地上の光が見えたそのとき、緊張感がつい緩んだのか
我慢しきれずに、後ろを振り返ってしまったのです。

「どうして振り返ってしまったの?」
そこには悲しみに満ちたエウリディケの姿がありました。
ハデスとの約束どおり彼女は、あっという間に冥土に引き戻されて
しまいました。
こうしてオルフェウスは、最愛の妻エウリディケを永遠に失って
しまった、というお話です。

つい振り返ってしまうオルフェウスの逸る気持ちや、
絶対に振り返らないで、と願うエウリディケの祈り。
「二度と取り返しのつかないこと」はいつも、後で考えてみたら、
ほんのささやかなことなのだ、と思いました。

それではまた、おやすみなさいZZ...
日記 | 投稿者 テニス侍 22:39 | コメント(0)| トラックバック(0)

アントニオ・タブッキ

こんばんは。今日も東京はいい天気になりましたねー。
風もなくて、つい公園のベンチで日向ぼっこを楽しんで
しまいました。
夕方は自由が丘にある歯医者さんへ・・。実はかなり苦手です、
音も匂いも・・。そしてずいぶん久しぶりだったので
(1年ぶりか)どのくらい口を開けてよいのかわからず、
アゴが痛いです。10年位前から通っていますが、
サッカーのカズ選手も来ているらしい上手な先生でして、
とても信頼しています。助手の方に毎回ブラッシングを
教えて貰うんですが、なかなか覚えられませんねー。

さて今日読んだ本はイタリア文学者で作家の須賀敦子さんが訳した
アントニオ・タブッキ著「インド夜想曲」です。ずいぶん前に
映画を観たことはあるのですが、内容も忘れてしまったし
タブッキという作家の本を読んだことがなかったので。。
今回初めて読んでみたら、面白い~!あっという間に気に
入ってしまいました。
あらすじは、イタリア人の主人公が、行方不明の友人を
探して、ボンベイ、マドラス、ゴアといったインドの主要都市を
訪ねて巡る旅の物語。インドの夜の、じっとりと濃い空気感が
行間からよく伝わってきます。
何でも昔から「インドは失踪するためにある」というそうで、
怖いですね~。そういえば国際空港の出発ロビーの掲示パネルに、
DELHIやBANGALOREという行き先を見ると、なぜか心惹かれて、
ふらふらと旅してみたいなーと思うのは私だけでしょうか。

作中、著者の想いが最もよく汲み取れると思った箇所はこちら。
真夜中、ボンベイの駅の待合室で偶然知り合った男と交わす会話です。

「この肉体の中で、われわれはいったいなにをしているのですか」
僕のそばのベッドで横になる支度をしていた紳士が言った。
その声はこちらの意見をたずねるというふうではなく、質問と
いうよりはただ確認を求めるような調子だった。たとえ質問だった
としても、僕はこたえられなかっただろう。軽々と、そして、
インド人特有の慎重さと控え目な身のこなしで部屋のなかを
あちこち動く彼の痩せた影を、駅のプラットフォームの電灯の
黄色い明りがペンキのはげた壁に映し出していた。
遠くから、ゆっくりと単調な声が聞こえていた。たぶん祈りの声
だろう。あるいは、ただ嘆きを表現するだけで、なにも願わない、
孤独で希望のない嘆きだったかも知れない。なにを言っているのか、
意味を理解するのは、僕には不可能だった。これもまた、インドなのだ。
平板な、明確な区別のない、朦朧とした音の世界。

「これに入って、旅をしているのではないでしょうか」と僕は言った。
質問されてから、かなり時間がたっていたかも知れない。僕は、
遠いことを考えてぼんやりしていた。しばらく、うとうとしたのかも
知れない。僕はひどく疲れていた。
彼が言った。「なんて言われました?」
「肉体のことです」僕がこたえた。「鞄みたいなものではないでしょうか。
われわれは、自分で自分を運んでいるといった」

『インド夜想曲』アントニオ・タブッキ(白水社)

本を読むこともまた、旅をすることなのかもしれない。
答えのない旅。自分という鞄を抱えて。

この週末は武道館でボニー・ピンクのライブに行く予定です。
久しぶりなので、すごく楽しみ~!
ではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:58 | コメント(4)| トラックバック(0)

「めがね」

こんばんは。今日も最高の秋晴れで、気持ち良かったですね~!
今日はテニスをお休みし、来週のマラソン大会に向けて、
近所の荒川土手を30分くらいランニング。日差しはそれほど
厳しくないので、快適に走れました。走りながら川岸に目を
向けると、川面に釣り糸を垂れる家族連れが意外に多くて、
丁度なにかを釣り上げたお父さんに「何が釣れるんですか?」と
尋ねてみると、これは「ハゼ」というんですよ、とのお答え。
クーラーボックスを見せてもらうと、エラのところがギザギザ
している体長15センチくらいの魚で、銀色に透き通っていて
かなりきれいなお魚でした。釣りも面白いんですよね~、
少しやりたくなってしまいました。

で夕方には、舞浜のイクスピアリで映画「めがね」を見てきました!
去年話題になった「かもめ食堂」を撮られた荻上直子監督の新作です。

その第一印象は、とにかく食べものをおいしく食べるシーンがたくさん
あって、とてもお腹のすいてくる映画だということ。梅干し、しゃけ、
卵焼き、味噌汁、納豆、ベーコンエッグ、厚切りの食パンや
バーベキュー、かき氷、ビール・・。

そして台詞や音楽が少なめなのも特徴的。春の海辺のシーンで、
穏やかな波の音に耳をすまして、きれいな夕やけの空をゆったりと
眺めていると、徐々にスクリーンの中へ自分が入り込んでいく感じが
します。そして目をつぶってみると、今回舞台となった南の島
(与論島だそうです)の爽やかな空気感を、演者と一緒に味わえた
気持ちがしました。荻上監督は、「観る」というよりも「体験する」
「感じる」映画を意図的に作ったのではないのかな、と思います。

とりたてて何をすることもない辺鄙な土地で、「たそがれ」ながら
暮らすことのできる「才能」。「あせらずゆっくり」という言葉。。

そして同じ時間と空気を一緒に過ごす、その何でもなさそうなことが、
何よりも贅沢で何よりも大切なことなのだ、ということをこの映画を
観て改めて感じました。

ではまた、おやすみなさいzz...
映画 | 投稿者 テニス侍 23:22 | コメント(2)| トラックバック(0)

海に帰る日

こんばんは、今週もあっという間に金曜日。。
最近は本当に1週間が早く過ぎる感じがします。
できればもう少し本を読みたいのと、WOWOWで
録画した映画を観たいのですが・・、言えばキリが
ないですもんね。

今日の午後お訪ねした会社の60代の部長さんは、
もう3年ほどのお付き合いですが、半年ぶりにお会いした
ところ、そのお顔がとても日焼けして黒かったので
「またずいぶん焼けてますね~!」と言うと、この夏から
東海道を東京日本橋から京都の三条大橋まで歩いて巡って
いるらしいのです、スゴイ~!!
何でも土日など休みの日を利用して日没まで少しずつ進み、
翌日は電車などで前日に到着した地点まで戻って再スタートする
そうなのです。だいたい一日20キロくらいは歩くようですよ。
ご夫婦そろってのご趣味らしく、私が「仲がよろしいですね」と
伝えると、「いやいや道中もケンカばかりですよ。速いとか遅いとか
休むとか、全然間が合わないんだよね」
やっぱり、、そんなものなんですよね・・。

さて近所の図書館にようやく入荷した予約本を、昨日
ゲットして読み始めたらこれがすごく面白かったので
少しご紹介しますね。それはジョン・バンヴィルJohn Banville
「海に帰る日」(新潮社)です。



初老の美術史家マックスは、最愛の妻アンナを癌で失います。
突然の妻の死による癒えることのない激しい喪失感を抱えつつ、
少年時代に毎夏過ごした避暑地アイルランドの海辺に佇みながら、
遠い夏の日に夢中に恋した少女クロエが、ある日突然海に消えた
謎の死の記憶を重ねて思い起こします。そしてこれまでの自分の
人生の時間を、過去を、いつまでも静かにうねる海辺で反芻します。
とても懐かしい風の匂いに包まれながら。

マックスは思う。「記憶とはいったい何なのか」。
目を閉じれば、幾重にも降り積もる、過去に輝いた時間の記憶が
ありありと現れてきます。かつて「現在」だったものの積み重ねとして。

そして彼はつぶやく。
「ひょっとすると人生は、そこから立ち去るための長い
準備期間にすぎないのかもしれない」と。

もしそうであるとするならば、私は、誰もがいずれは消えゆく
「海に帰る」存在として、日々の一瞬を自らのやり方で真剣に
生き、その記憶を紡ぎながら辞世の準備をしようと思いました。

さて明日は朝2時間、はるさんのサークルにお邪魔し、
夜は松戸Mさんのところで練習させてもらいます。
ではまた明日、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:55 | コメント(0)| トラックバック(0)

約やか

こんばんは、なにかずいぶん涼しくなってきました。しかし
このくらいがスポーツするにはちょうど良い気温でいいですね。
昨日夜、スクールに行ってレギュラー仲間のTさんと話していたら、
彼も先週日曜試合だったそうで、なんと6セットもこなしたそう!
結果もY市民大会ベスト4です!すごいねー、おめでとう
ございます!!帰りの更衣室で「今度一緒にダブルス出ましょう」と
いう話になったので、これから少しずつ練習していきたいと思います。
Tさんどうぞよろしく~!

さて書店などでは、早くも来年の手帳が出ていますね。
数え切れないほど種類があるので、ひとつ一つ見ていたら
選ぶのが難しい。。
でも最後はいつも同じものを選ぶんですけどね。私は
「能率手帳NO7」という地味なものが好みで、小さく軽くて
上着のポケットに入れて出し入れしやすく重宝しています。
ただし難点は、1日分のマスが小さく、字がどんどん細かく
なってきて自分ですら読めないこともあること・・。
これじゃダメ・・ですよね。
しかし新しい手帳を手にすると、何かワクワクする気分がします。
テニスや旅行とか、あれこれしたいことを書きたくなるし、
来年の休みの計画を立てたくなったり。
来年、平成20年もたくさんの新発見がありそうだなーと思いつつ、
あんまり忙しすぎたり、健康を壊したりしないようバランスを
とってやっていきたいと思います。

話は変わりますが、先日読んで久々勉強になったのが孔子の
言葉を集めた本です。
全世界の古典として有名な「論語」ですが、高校時代の
漢文テキストで多く読んだ以来だったので、懐かしい思い出と
ともに、何度でも読み返したい人間臭いことばにあふれていて
感銘を受けました。今の私に一番響いたのが以下の教え。

『氏曰く、約を以てこれを失う者は、鮮(すく)なし。』

「何ごとにおいても慎ましさというのが実は大事で、出過ぎたことや
過剰なことを控えれば、失敗したり失うことは少ない、ということです。

「約」とは控え目で質素なこと。倹約の意味もあります。最近は
あまり使いませんが、「約(つづま)やか」とは、簡潔で要を得ている
ことや、慎ましいようすをさすことばです。

現代においては「そんな消極的では生きていけない」という反論も
聞こえてきそうです。しかし、言いたいだけのことを言い、使えるものは
消費し尽くし、儲かると思えば貪り尽くす、そんな過剰な暮らしに
疲れてしまったり、傷ついてしまう人も多いのではないでしょうか。
慎ましく謙虚なことは、本来日本人の美徳でもあったはず。過剰を
求めれば失うものも多くなります。「約」をもって生きれば、
失うことも、傷つけ合うことも少ないのです。」

中村信幸監修「心にひびく論語」永岡書店刊

さすがに2500年以上のあいだ多くの人に読み継がれ、ふるいに
かけられた言葉には、滋味深いあじわいや人の道を導く智恵、
それに心を穏やかに休ませるような癒しを感じます。
そして私も、この「約やかな」振る舞いができる人間に
なりたい、と思いました。

ではまた、おやすみなさいzz...
日記 | 投稿者 テニス侍 23:52 | コメント(4)| トラックバック(0)

区民大会シングルス

こんばんは。今日は秋のシングルス区民大会に出場してきました。
お天気はうっすら晴れて涼しくて風もない、文句ないテニス日和!
今回もまた朝7時前に着いてしまい、早過ぎてあまり人がいない・・。
予定通り7時半から開会式のあと、8時から試合開始です。
今日は最大4試合、最後まで勝てばベスト8になり、来月中旬に
残り試合が組まれるそうです。
さあ気合入れて最初の対戦相手はーと思ったら、偶然にも応援に
来てくれた知り合いの友人のようで、どうも攻めにくい。
ミスの少ないストローカーでしたが、サービスが不調のまま
サービスキープに苦労されていたようです。朝のドサクサに
紛れて6-0で勝利!

その次の相手が長身180センチくらいのサービスがすごく速い
選手。私はリターンが最も苦手なんで「これはマズイ・・」と
内心思いながらも、まあシングルスだからとりあえず返すことに
専念しつつ、一進一退のスコアでとうとう6-6タイブレーク。
しかしこの選手は一試合めだったせいもあるのか、打ち合いで
少し早めに決めにきてくれたのがミスにつながったことも多く、
何とかタイブレ7-3で勝ち!

3試合目は、40代でスライス主体のベテラン選手。私の調子も
やや上がってきてサービスが好調に。良いときは強気をどんどん
出していくべきと思っていたら、なぜか不思議と調子に乗って
ファーストサーブが珍しくよく、幸運にも6-0で勝利!

ここまできたら、何としても勝つぞーと思いつつ、今日最後の
対戦相手と激突。結果から言うと6-2でなんとか勝つことが
できました!相手は30歳くらいの確実なオールラウンド
プレーヤーです。サービスもストロークも堅実で、リターン
ダッシュを何度もしてくるほど、ボレーに自信をもっている方
でした。私はいつもどおりバックに集めることと、特に
ファーストサーブで攻めていくようにしたことが良かったよう
です。試合後、相手選手から「僕がバック弱いこと、すぐわかって
しまったんですね」と言われたのですが、、「いえ・・、
いつもこの作戦ばっかりなんです。」と情けない返答。。

まあ来月まで試合を楽しめることになり、正直嬉しいです。
ただ、今回出場したクラスは3段階あるうちの最も下のレベル。
とにかく順調に勝ち進めてホッとしています。
そして今日は自分の試合にも、ずっと応援してくれた方が何人か
いてくれて、とても心強かったです!ほんとありがとう!!

あと、シングルスの練習は普段あまりやる機会がないので、
意識して時間をつくらないといけないな、と思いました。
強い選手はたくさんいますので、少しムリ言ってお手合せ
願おうかな、と思います。

それではまた、おやすみなさいzz...
テニス | 投稿者 テニス侍 23:20 | コメント(4)| トラックバック(0)

グレート・ギャツビー

こんばんは。ニュースによると今朝、旭川で初雪が観測された
そうですねー。初冬のあさ起きて窓の外に目をやると、見渡す
限りの白い雪景色にふと息を飲む感じ・・。ここしばらくは
味わっていませんが、冬の初めは新鮮で特に美しく思うんですよね。
それにしても、これからまたいつか、雪国に暮らすこともあるのかな。

そういえばその昔、札幌に住んでいた学生のころ、地下鉄駅まで
結構な距離があったのでバスを利用していたのですが、雪が降ると
やはり時間通りの運行は難しくなり、ダイヤが大きく乱れることに
なります。
ある大雪が降る夕方、いつものバス停留所に向かうと、既に
おばあちゃんがひとり、ストールをかぶって寒そうにバスを
待っていました。予定時刻よりもおそらく30分くらい遅れて、
ようやくバスが、それも2台続けて到着しました。やれやれと
思いながら、そのおばあちゃんのあとを追って乗車しようと
すると、先に乗り込んだおばあちゃんが思いきり言い放った
運転手さんへの一言に思わず笑ってしまいました。。
「こんなに遅れて・・、殺す気かい!!」
このバスの乗客のみなさんはこう思ったでしょうね、お気持ちは
よーくわかりますが、そんなにお元気なら全然大丈夫だと
思いますけど・・。

今日は午後、松戸の江戸川河川敷で月末の大会に向けてランニング。
片道1キロの表示を2往復4キロで22分。かなり遅いですが、
問題なく楽しく走れたので、あと2週間で距離を延ばそうと
思います。そのあと夕方から3時間、ときどきお邪魔する
葛飾Mさんのサークルでテニス練習。明日はシングルの試合
なのでサービスと、ストロークを意識的に練習しました。
体調はすごく良いので、何とか1つでも多く勝ち進めるよう
頑張りますね~。

それから先ほど、フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」
を読み終えました。
アメリカ文学不朽の名作として名高い作品だけあって、テーマが
幾つも重なって味わい深く、結末は悲劇としか言えない深い
哀しみを湛えつつも、ひと夏の美しく儚い物語を本当に愉しめる
と思います。
私が最も印象深いと思う個所はこちら。人知れずギャツビーが、
兵役やら何やらで失った元恋人デイジーの住む対岸の邸宅の
灯火に向けて、身を差し出す描写のところ。

「猫の影がひとつ、月光の前をちらつきながら横切ったので、
僕はそちらを向いた。そしてそこにいるのが自分だけではない
ことを知った。五十フィートほど離れたあたりに、隣の屋敷の
物陰から人影がひとつ音もなく現われたのだ。その人物は両手を
ポケットにつっこみ、そこに立って、空に細かく散った銀色の
星をじっと見上げていた。落ちつきのある動作や、芝生に両脚で
揺らぎなく立つ様子から、ギャツビーご本人であると推測できた。
おそらくはこの地域の天空の、どれほどの領域を自分が所有して
いるかを確認するために、お出ましになったのだろう。
声をかけてみようかと思った。ミス・ベイカーが夕食の席で
彼の話を持ち出していたし、それが自己紹介のきっかけになるだろう。
でも結局声はかけなかった。というのは、彼がそのときにとった
突然の動作によって、この人物は一人でいることに満ち足りて
いるのだと察せられたからだ。彼ははっとさせられるような
しぐさで、両手を暗い海に向けて差し出した。そして遠目では
あったものの、彼の身体が小刻みに震えていることがはっきりと
見て取れた。僕は思わず、伸ばされた腕の先にある海上に目を
やった。そこには緑の灯火がひとつ見えるきりだった。
小さな遠くの光、おそらくは桟橋の先端につけられた照明だろう。
それから再びギャツビー氏の方に視線を戻したとき、そこには
誰もいなかった。僕は騒がしい夜の闇の中に、またひとりで
取り残されていた。」
スコット・フィッツジェラルド著「グレート・ギャツビー」
村上春樹訳・中央公論新社刊

ようやく差し出した手に、触れたかどうかと思った矢先につかみ
損ね、指先からすり抜け落ちてしまう繊細な想いや夢の脆さ。
小説を読む最上の喜びが、この300ページに存分詰まっていると
思いました。 それではまた、おやすみなさいzz...
| 投稿者 テニス侍 23:57 | コメント(0)| トラックバック(0)

セレンディピティ

こんばんは。今日の東京は秋らしく落ち着いて過ごしやすいお天気
でしたね。今週末は区のシングルス予選なので、素振りでも
しなければダメなのですが、今夜も帰りが遅くてあっという間に
こんな時間です・・。まあ体調だけは上々なので、今年は何とか
4回勝って本戦まで辿り着きたいものですね。そして月末には
江戸川マラソン10キロです。制限の1時間以内で走れるかな~、
練習しなきゃ!!

さて今日はいつも愛読している雑誌SAPIOに、また面白い記事が
ありましたのでその文章から。それはカナダ出身の茶道家で
裏千家教授のランディー・チャネルさんが語る「おもてなしの心」
の意味です。

「(茶道とは)単にお茶とお菓子でもてなすだけのことだが、これは
クリスマスプレゼントのようなもので、箱の中身が何かではなく、
差し上げたいと思う気持ち、頂いて嬉しいと思う気持ちが大事で、
こういうハート・トゥ・ハートのつながりをもつことが『おもてなし』だ
と説明するとみな理解してくれる。お客様に喜んでもらいたいという
気持ちを込めてお茶を点て、お茶碗の一番きれいなところが見えるように
回し、正面からどうぞとお出しする。こういった心と心の受け渡しが
なければ、いくら作法を守ってお茶を入れても、それは単なる
”メイキング・ティー”に過ぎない。」
小学館「SAPIO」2007年10月24日号

残念ながらあまりに未熟な私などは、贈る側としても
受ける側としても、まさに箱の中身ばかり気にしてしまっていました。
相手に喜んでもらいたいと思う気持ちを忘れない主人と客、
両者のあいだにしっかりと存在する、心と心の受け渡し・・。
時代は変わっても、人との円満な関係の原点は不変なのでしょうね。

さて今日はもう一つ、18世紀イギリスの作家ホレス・ウォルポールに
よる言葉、セレンディピティcerendipityをご紹介したいと思います。

このセレンディピティとは、一般に「まったく偶然に、価値ある
何ものかを発見する能力」と言われています。つまり「幸運にも
思いがけず貴重な何かを見出す力」のこと。
また、ベストセラー本「生きかた上手」の著者日野原重明先生によると、
「幸福な偶然をつかみとる力」と定義されているそうです。

私たちの日常生活においても、この「幸福な偶然の発見」を経験する
ことがまれにあるんですよね。ひょんなことから興味深い人に出会ったり、
予測もしない意味深い出来事に遭遇して、一生忘れられない思い出になったり。
私もついつい平凡な毎日の繰り返しのなかで、大切な人との出会いや
大事な物ごとをよく見逃してしまっているのだと思いますので、
このセレンディピティを時には思い出し、観察力や洞察力を少しは身に
つけたいものだと思います。
しかし少し考えてみれば、このブログなども私の数少ないセレンディピティに
よるものだったのかもしれませんね~!始めたのもほんの偶然ですし、
見ず知らずの人と初めてテニスしたあとに
「ブログ読んでますよー、ツヨシさんですよね」といって声をかけてくれる人と、
関心あるテーマについて話したりしてね。
これまでよりも、ずっと意識して本を読んだり映画を見たり、そして考えて、
書いて・・。私にとってこのブログは本当に貴重な経験になっています。
これからも、少しずつ成長していきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

ではまた、おやすみなさいzz...
日記 | 投稿者 テニス侍 23:54 | コメント(4)| トラックバック(0)

知足

こんばんは。昨日おとといとAIGオープンをじっくり観戦して
きました!日中は太陽が照りつけてすごく暑いものの、夕方からは
冷え込んできて、寒暖の変化が大きい2日間でした。

選手のプレーはものすごく熱い!の一言。さすがは世界トップ
の技術です。土曜の女子シングルス決勝では、惜しくも負けて
しまいましたが今年の全英優勝ヴィーナスのプレーを間近で
見ることができました。特にテイクバックが小さくて早いのに驚きました!
トップ選手だからこそ、基本に忠実なんですね~。

↓女子決勝 サービスがヴィーナス リターンがラザノ選手


あと昨日の男子シングルス決勝戦では、第一シードのフェレールが
抜群の調子の良さでガスケ選手に61、62で完勝。フットワークが
すごく良いんですよね。体は小さいのですが、「足がもの
すごく速い」からこそ、今年の全米でナダルにも勝てた
のでしょうね。バックはダブルハンドですが、テレビのスローで
見ると握りがずいぶん開いていることが多く、そうした方が
コントロールしやすいのかも、と思いました。

あと優勝者インタビューのコメントが、人柄をよく表わしていて
面白かったです。フェレール選手は現在世界8位で自己最高を
更新中ですが、「これからの夢や目標は?」との問いかけに
「今が夢の中にいるようなもので、このすごく幸せな状態が
少しでも長く続くよう努力することが目標です」との答え。
私は「GS優勝や世界1位を目指す」というようなことを
予想していたので、トップレベルの競技者のコメントとしては
ちょっと意外だったのですが、しかし同時に千利休の「知足」
という言葉を思い出しました。「知足」とは「足るを知る」、
つまり自分が足りる、必要な分だけで満足ではないのか、
いう意味です。夢や希望は人それぞれ、ものすごく高く限りなく
てもいいと思います。それと同時に「足る」ということを
知っておくこともまた大事なのかな、と思いました。

何はともあれ、日本テニス最大の祭典AIGジャパンオープンも
終了です。何事にも終わりあり、とは言いつつも少しさびしい
気持ちを感じてしまいました。そしてまた来年も良いプレーを
たくさん見たいなーと思います。それではまた!!
日記 | 投稿者 テニス侍 19:15 | コメント(6)| トラックバック(0)

「千年の祈り」

こんばんは。今日は午後から仕事をお休みし、AIG観戦に行ってきました!
先週末の前夜祭以来でしたが、お客さんが本当にたくさん入ってますね。
注目のヒューイットの試合などは、平日なのに7割以上の席が埋まって
いたと思います。
会場に着く前に、朝から行っていたテニス仲間のはるさんにメール。
朝からすごく日射しが強く暑かったようです。しかし、空や雲は確実に
秋の様相ですし、とんぼもゆったり気持ち良さそうにコートと観客の
あいだを飛び交っていて、少しほのぼのとしてしまいました。
そしてトッププレイヤーの真剣なテニスは、まさに興行にふさわしい
価値あるプレーの連続で、またちょっぴりでも自分のプレーに役立て
たいと思わせました。フェレールの芸術的なリターンとテイクバックの早さ、
ヒューイットのフットワークとよく曲がっているヒザ。あとガスケ
シューズが、私と同じアシックスのゲルレベルで思わずうれしく
思ったのと、ヒューイットに激戦の末勝利した長身ビッグ
サーバーのカルロビッチが、タオルを渡してくれたボール
パーソンやドリンク担当の人に、試合後お礼の挨拶をしている
ところに、人間としての品や優しさを感じました。

明日も10時から有明に行って、女子シングル決勝や
男子シングル準決勝ほかを観戦してきますね~!

さて今日のタイトルは近年大注目の中国人作家イーユン・リーの
短編集の題名。現在はアメリカに住み、大学の創作科教授
としても活躍されているようです。
彼女の文章はまさに簡潔で正確。時代や政治の大きなうねりを背景に、
家族や恋人、友人との結びつきのはかなさを描くことで、「哀しみ」
という濃い感情を伝えることに成功していると思います。

特に印象に残ったのは、表題作の短編「千年の祈り」の中で、
離婚した娘を案じて米国にやってきた父が口にした
『修百世可同舟(シウパイシークウントンジョウ)』という言葉。
これは「誰かと同じ船で川をわたるためには、百世代のあいだ
祈らなくてはならない」という意味だそうです。気の遠くなる
くらいの長い年月の祈りによって、初めて人との出会いや関係が
出来るのだと。

この父、石氏は気難しい娘を得意の料理を振る舞って励ますのだが・・。

「二の句を待たずに娘は寝室のドアを閉じる。娘がほとんど
手をつけなかった料理を石氏は見やる。刻んだキノコとエビと
ショウガを詰めて焼いた豆腐に、タケノコと赤唐辛子とサヤエンドウを
合せたもの。娘は毎晩料理をたたえてはくれるが、その言葉に
心がこもっていないのを感じる。料理が父の祈りだということを
娘は知らない。そして、祈りにこたえてはくれない。」

イーユン・リー「千年の祈り」篠森ゆりこ訳・新潮社

人との付き合いの裏には長い年月の祈りが必ずあり、さらには
その祈りには色々な形があるのだということですね、言葉に
なるものもならないものも・・。
そう思えば、ふだん何気なく過ごし関わっている家族や友人たち・・、
そのかけがえのなさを、日毎に実感できるのかもしれませんね。
ではまた、おやすみなさいzz...



| 投稿者 テニス侍 23:55 | コメント(0)| トラックバック(0)

秋桜

こんばんは。AIGオープンは本戦3日目、期待の日本人選手は
みんな健闘されたものの、残念ながらシングルでは姿を消して
しまいましたね~。あとはダブルス、鈴木選手と中村選手が残るのみ。
しかしドローをよく見ると、ガスケやフェレール、ヒューイット
ヴィーナスほか、なかなか観ることのできない超一流選手が
たくさんいるんですよね。私も金曜午後から観戦に行くので、今から
ワクワクしています。。あと、もし行かれる方は観戦時間が長くて、
すぐお尻が痛くなるので、バスタオルなどを持っていくといいですよ~。

昨日の午後ですが、お台場のFテレビに初めてお邪魔しました。
お客さまが放送技術のお仕事をされていて、時間が取れるとのこと
でしたので、お言葉に甘えてご職場を拝見させてもらいました。
本当に面白かったですよ~!まず最初の感想は、見学にきていた中高生
団体が多いなーということと、職場フロア内は意外に地味で静かで
堅実な雰囲気。これはかなり意外でした。考えれば、公共性のとても
強いお仕事ですし、当然なんですよね。政治テロなどで放送ジャック
される可能性なんかも考えられていて、セキュリティも強固にされて
いるということです。そういえばロシアや東欧では、ちょっと前にも
放送局乗っ取りといった事件もありましたよね。
中でも一番印象的だったのは、お客さまが義務でも何でもなくただ
ご厚意だけで貴重な時間を費やしてくれて、放送設備やら入出力電波
監視室のことを、シロウトの私にも分かりやすく説明して下さったこと。
とても多忙な中だったと思いますが、またとない経験をさせていただき
Iさん本当に有難うございました。

あと、いつもお邪魔している京都の写真ブログ「ひろさん」の昨日の
記事を見てみたら、大原で撮られた秋桜と空がすごく綺麗で癒され
ますね~。山野を彩る花々は、与えられた場所でただ無心に咲きほこり、
命のおもむくままに枯れ朽ちて土に戻ります。私たちにその潔い
美しさを与えてくれつつ。

ではまた、おやすみなさいzz...
日記 | 投稿者 テニス侍 23:44 | コメント(2)| トラックバック(0)

now and here

こんばんは。昨日、私もAIG前夜祭に行ってきましたよ~!
ロジャーが出れないのは残念でしたが、AIG名物の松岡修造さんの
MCによるとロジャーは体調不良にもかかわらず、それでも
日本行きを強く希望したようなのです。しかし疲労がことのほか
酷くて、あえなく断念したそうです。。来年は北京五輪が8月に
あって今年よりもスケジューリングがきつくなるので、東京は
やっぱりムリかな~?!
さて前夜祭の目玉の一つは錦織圭くんのプレーですね!
相手は今年全米でナダルを破りベスト4のフェレール選手。
圭くんはアップのストロークからボレーにかけて、柔らかい天才的な
タッチも「うーん上手い!!」と唸らせましたが、フォアで叩く
ストロークも豪快でカッコいいですね。今年ATPツアーで
すでにベスト8も経験しているし、とても楽しみな選手。練習
後半、フェレール選手と4ゲームマッチをやって4-4、タイブレで
惜しくも負けてしまいましたが、大器の片鱗を私たち3千人の観衆に
見せつけてくれちゃいました。

前夜祭もう一つの目玉は、車椅子テニスの王者、国枝慎吾選手と
斎田悟司選手の1セットマッチです。TVでは何度か見たことが
ありましたが、ライブでは初めてです。

↑↑国枝選手↑↑

お2人ともフットワークがすごく速くて細かくて、2バウンドまで
OKのボールの行方を、抜群の予測力で追いかけて最高のタイミングで
捉える技術の高さにものすごく驚いたのと、スピンもスライス
(特にバックハンド)もフェデラー選手ばりのスイングスピードで、
とてもカッコよかったです!ボールもキレキレでした。
特に国枝選手は、今年年間グランドスラムを史上初めて達成した
世界ナンバー1選手。23才にして遂に前人未踏の領域に達した
その努力の過程に、尊敬の念を覚えました。

さて今日の午後、縁あってメンタルトレーナー浮世満理子さんの
講演を聴くことができました。先生は、現在全日本体操チームの
トレーナーでもあり、特にスポーツメンタルを得意とされていて、
昨年まであの岩渕聡選手も担当。岩渕選手といえば
05年06年全日本シングルス連覇の日本トップ選手ですよね。
先生のお話で特に印象的だったことは、何事も「質」への
こだわりを強調してらしたこと。勝ち負けは単なる結果でしかなく、
「戦い方の質」を高めることがもっとも大事ということでした。
それには「いつか・どこかで・まあできたらいいなー」ではなく、
「今・ここで・自分ができるだけのことをして」悔いを残さない毎日を
大切に丁寧に積み重ねて生きるように心がけましょう、ということでした。

最後に少しだけ映像が出た岩渕選手のコメントも印象深かったです。
「先生の指導を受けてからは、目の前の1ポイントにすごく集中できる
ようになって、そのぶん緊張したりボンヤリしている暇がなかった。
それが全日本制覇という最高の結果に繋がったのだと思う。」

私も、成果や勝敗のみを追求して仕事やプレーの質を疎かにせず、
目の前の1ポイントに何はともあれ集中して全力を出し尽くすことで
成長していこう、と思いました。

ではまた、おやすみなさいzz...
日記 | 投稿者 テニス侍 23:56 | コメント(2)| トラックバック(0)
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