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ツヨシ、しっかりしなさい!! テニス侍&ジョグ侍ツヨシです!<記録>フル3'38"58('09.04かすみがうら)ハーフ1'35"50('09.04焼津)10k40'48('09.05葛西臨海公園)

テニス侍
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マットレス

こんばんは。今日は少し晴れ間が出たりと穏やかなお天気でしたね、
風も無かったし。朝などかなり暖かくなってきたので、これからは
早朝ランをしようかな!?起きれれば・・。

そうそう昨日「ランナーズ」6月号を読んでいたら、日本陸連が
6月に一般向けのランニング教室を開催するらしく、とりあえず
早速申し込んでみました。1日(日)午前10時、場所はあの
国立競技場!!。憧れの国立で自分が走れるとは、かなり嬉しいです。
それにレベル別に分けて細かくフォームなどを指導してもらえる
そうなので、もし読んでいらっしゃる方でこれからちょっと走って
みようかな~、などと思っていらっしゃる方は、こちらから
応募してみてはいかがでしょうか。。

さてもうお楽しみの週末ですね!!今週はバタバタしていて特に
あっという間でした。土日ともテニスとランニングの予定、それに
読みたい本がたくさん積んであります~~。そうそう来週からは
飛び石のGWが始まるんですよね。ツヨシ家は今年特に予定もなく、
近くで食事と買い物くらいです。連休はいつも都心が空いていて
快適ですし、テニスもランもたくさんしたいと思ってます。

さて今週読んで一番面白かった本は、フランス文学者鹿島茂さんの
著書「パリの異邦人」です。ヘミングウエイやヘンリー・ミラーほか
長い歴史のなかで多くの外国の芸術家を引き寄せつづけた魅惑の
都市パリが、異邦人としての滞在者をいかに受け入れ変容させて
きたのかを綴った力作でした。特にオーストリア出身の詩人リルケが
著した「マルテの手記」を引いて、パリに暮らす外国人の絶対的
孤独を描いた箇所が特に心に滲みました。

「たとえばマルテがいる安ホテルの屋根裏の一室の次のような描写。

『もし僕がこんなに貧乏でなかったら、もっと別の部屋を借りることも
できるだろう。こんなぼろぼろの家具でない部屋、以前の間借り人の
さまざまな生活の残滓がくっきりついてない部屋に、僕は住めただろう。
最初、僕はちょっとこの肘掛椅子の背に頭をのせることができなかった。
緑色のクッションには、人々の頭を受けていたらしい脂にくろずんだ
窪みがあって、僕は一々気をつけて髪の下にハンカチを敷かねば
ならなかったのだ。しかし、僕はもうそんなことにすっかり疲れて
しまった。みんなと同じように僕はじかに頭を押しつけてしまう。
小さなクッションの窪みは寸法でも計ったように、不思議に僕の
頭にぴったり当てはまるのだ』

ここからわかるのは、パリにおける孤独とは、人跡未踏の地にいる
孤独ではなく、数限りない人々がそこを通りすぎていった場所に
自分もいるという自覚から生まれる孤独なのである。肘掛椅子の
背もたせのクッションに人々の頭が残したくろずんだ窪み。
本来なら、それは孤独ではなく、連帯とかなにか別のものを喚起する
はずのものである。もし、この種の人間の生活の痕跡をヒマラヤの
雪山で発見したら、人は自分は孤独ではないと感ずるかもしれない。
ところが、同じ人跡がパリの安ホテルでは、逆に孤独を倍加する。

なぜなのだろう?
思うに、それは、ヒマラヤの雪山の人跡が分数の分子にあたる
のに対し、パリの安ホテルのそれは、分数の分母でしかないこと
から来ている。ヒマラヤの雪山に記された足跡がすでに二つあり、
そこに自分が三つ目を刻んだなら、それは単純に三になる。
これに対して、パリの安ホテルのそれは、次々に分母に繰り入れ
られるにすぎないから、人跡が増えれば増えるだけ、数自体は
ますます小さくなるというわけだ。

そして、困ったことに、それは、安ホテルに限らず、どんな豪華な
ホテルでもそうなのである。パリに滞在した外国人は、例外なく、
自分がたんに分母に1を増やしたにすぎない矮小な存在である
ことを思い知らされる。つまり、パリというのは、そこに加わった
はずの自分の存在をより希薄に感じさせてしまう『割り算の都』
なのだ。

いいかえれば、パリのホテルに滞在することによって、人は、
そこを通り過ぎていった圧倒的な数の人々の存在の重みを体感
させられ、自分がワン・オブ・ゼムにすぎないという厳然たる事実を
目の前に突き付けられるのである。

最初、人はその事実に反発して、クッションのくろずんだ窪みに
自分の頭を沈めることを拒否し、マルテと同じように、『一々
気をつけて髪の下にハンカチを敷』く。だが、そのうちに否応なしに
みずからの矮小性を認めざるをえなくなり、『みんなとおなじように』、
その窪みに『じかに頭を押しつけてしまう』のだ。すると、なんとも
くやしいことに、『小さなクッションの窪みは寸法でも計ったように』、
『頭にぴったりあてはまる』のである。

私自身も、パリの安ホテルのベッドでなんどこれを体験したか
しれない。真ん中が人間の形に窪んだベッドは、いくら拒否
しようとも、その窪みでしか寝ることを許さない。最初はベッドの
端で寝ようとするのだが、気がつくと、いつのまにか窪みに
スッポリと落ちている。しかも、その窪みは『寸法でも計った
ように』こちらの体に『ぴったり当てはまる』のだから、余計、
心は深く傷つくのである。」

鹿島茂「パリの異邦人」中央公論新社

引用文中の「分子と分母」あたりのくだりは、パリとヒマラヤの
対比に限らず当てはまりそうですね。分母を増やし続けてどんどん
存在の濃度が薄まる都市生活者の孤独と、その反面の匿名性による
気安さについては従来からしばしば指摘されているとおり。

また安ホテルの椅子の背もたせやベッドマットレスの人型の窪みに、
最初は拒否しつつもいつの間にやら私たちの身体がぴったり
収まることでふと感じる「自らの存在の矮小さ」についても、
同じような経験をされたことのある方なら著者の主張に深く
頷けることと思います。

私などは、旅先の宿で寝返りを打つたびに響くベッドスプリングの
きしみ音や、眠れなかった夜明けの朝、街全体から立ちのぼる
低くうなるような音、そして朝早く苛立つように速いリズムを刻み
窓下遠くから迫ってくる女性のヒールの音などにも、孤独とか
悲しみを感じます。きっと「分母」を増やしている気持ちになる
からかも知れませんね。

それではまた、おやすみなさいzz...
日記 | 投稿者 テニス侍 23:54 | コメント(0)| トラックバック(0)
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