2008年03月21日
ラスト、コーション
こんばんは。最近は春のせいか天気が不安定ですね、今日も朝から
また雨・・。家を出るときは降ってなかったのですが、地下鉄
新宿駅の改札から外に出てみるとかなーり降っていて、
「たしか折りたたみあったよなー」と鞄をさぐってみると、
ショック!あったはずなのにない・・。
朝から冷たい雨に靴まで濡れてしまいました。。今日は六曜占い
でいうところの「先負(せんぷと読むそうです)」、午前中は
凶ということなので、まあしょうがないですね・・。
そういえば先日ご紹介した安藤裕子さんの8曲目となるシングルが
今週19日にリリースされたようです!「パラレル」という曲
ですが、春らしく前向きで力強い感じで、これまでの曲調にない
新しさがまたすごく好みです。ぜひ聴いてみてください!
PVも曲に合ったシンプルな感じが良いですね~。
昨日、ようやく以前から観たかった映画「ラスト、コーション」を
新宿武蔵野館のモーニングで観てきました!
ヴェネチアの大賞を始め、多くの映画賞を獲得した話題のこの映画、
私は2時間を超える上映が終わりエンドロールを眺めつつ、長く
続いた緊張のあとのひどく重い余韻を感じてボーっとしながら、
劇中の痛々しくやりきれない思いがこみ上げる印象的なシーンを
ずっと反芻してしまいました。
時代は1940年代、日本(汪兆銘の南京政府)と欧米(蒋介石の
重慶政府)、ソビエト(毛沢東の共産党)の3者に分裂支配される
中国、そのうち日本軍が占有支配する美しい魔都上海を舞台に、
抗日運動に身を投じる女チアチーが、汪兆銘政権の特務機関トップ、
イーに暗殺目的で接近する。この極めて危険な任務をたぐい稀な
愛国心と責任感で遂行し、体のみならず心まで自分の全てを差し
出し与えることで信用され、ついに完全に所与の目的を達成できた、
はずだったのだが・・。
まず激しい暴力や極限に近い性描写によって、アン・リー監督は
彼らの、そして私たちの、本性や本音をあぶり出そうと試みて
いると思います。余裕の全くない危険地帯で人は、自らの深い
意識を初めて知ることになるのでしょう。
劇中、チアチーがイーのために『天涯歌女』という中国のヒット曲を
踊り歌う場面で、思わずイーが涙します。日本の力を借りて成り
立つ傀儡政権の要人であったとしても、そのイーもまた中国人、
自身の境遇について想いをこらすとともに、チアチーへの愛をも
確信した涙であったろうと思います。
逆に宝石店にて眩いばかりの指輪を贈られるシーンで、チアチーは
イーの深い愛情を受けとる。死を隣合わせとする2人が、純粋な
愛を確かめ合ったその時がまさに、皮肉にも不可避な死に捕らえ
られてしまった瞬間でした。イーに思わず「逃げて」と伝える
ことで、チアチーは完全に欺きの舞台を自ら降りることになり、
イーの暗殺計画はついに終わりを告げます。
最終盤、処刑場でのチアチーの表情に悔恨の跡は全く窺えない。
真実の愛を知って男を自ら救い、その想いを貫き通した自負
からであろうか。一方、イーはチアチーとの思い出が残るベッドに
所在なく腰かける。その瞳は涙に濡れ、与えられた真の愛情に
応えられずそれに値しない自分を強く苛め責めているかのよう
にも見える。
前作「ブロークバック・マウンテン」同様、アン・リー監督が紡ぐ
この物語もまた、誰ひとり幸せにならなかった。しかし私たちは、
必死につかまえようとするとすぐ消えてしまう幻のような、
ひとつの真実の愛のかたちを、確かに見た。
さて明日土曜は朝2時間、午後4時間ダブルス練習、日曜は来週の
10Kレースに向けて走り込む予定です。
それでは、おやすみなさいzz...
また雨・・。家を出るときは降ってなかったのですが、地下鉄
新宿駅の改札から外に出てみるとかなーり降っていて、
「たしか折りたたみあったよなー」と鞄をさぐってみると、
ショック!あったはずなのにない・・。
朝から冷たい雨に靴まで濡れてしまいました。。今日は六曜占い
でいうところの「先負(せんぷと読むそうです)」、午前中は
凶ということなので、まあしょうがないですね・・。
そういえば先日ご紹介した安藤裕子さんの8曲目となるシングルが
今週19日にリリースされたようです!「パラレル」という曲
ですが、春らしく前向きで力強い感じで、これまでの曲調にない
新しさがまたすごく好みです。ぜひ聴いてみてください!
PVも曲に合ったシンプルな感じが良いですね~。
昨日、ようやく以前から観たかった映画「ラスト、コーション」を
新宿武蔵野館のモーニングで観てきました!
ヴェネチアの大賞を始め、多くの映画賞を獲得した話題のこの映画、
私は2時間を超える上映が終わりエンドロールを眺めつつ、長く
続いた緊張のあとのひどく重い余韻を感じてボーっとしながら、
劇中の痛々しくやりきれない思いがこみ上げる印象的なシーンを
ずっと反芻してしまいました。
時代は1940年代、日本(汪兆銘の南京政府)と欧米(蒋介石の
重慶政府)、ソビエト(毛沢東の共産党)の3者に分裂支配される
中国、そのうち日本軍が占有支配する美しい魔都上海を舞台に、
抗日運動に身を投じる女チアチーが、汪兆銘政権の特務機関トップ、
イーに暗殺目的で接近する。この極めて危険な任務をたぐい稀な
愛国心と責任感で遂行し、体のみならず心まで自分の全てを差し
出し与えることで信用され、ついに完全に所与の目的を達成できた、
はずだったのだが・・。
まず激しい暴力や極限に近い性描写によって、アン・リー監督は
彼らの、そして私たちの、本性や本音をあぶり出そうと試みて
いると思います。余裕の全くない危険地帯で人は、自らの深い
意識を初めて知ることになるのでしょう。
劇中、チアチーがイーのために『天涯歌女』という中国のヒット曲を
踊り歌う場面で、思わずイーが涙します。日本の力を借りて成り
立つ傀儡政権の要人であったとしても、そのイーもまた中国人、
自身の境遇について想いをこらすとともに、チアチーへの愛をも
確信した涙であったろうと思います。
逆に宝石店にて眩いばかりの指輪を贈られるシーンで、チアチーは
イーの深い愛情を受けとる。死を隣合わせとする2人が、純粋な
愛を確かめ合ったその時がまさに、皮肉にも不可避な死に捕らえ
られてしまった瞬間でした。イーに思わず「逃げて」と伝える
ことで、チアチーは完全に欺きの舞台を自ら降りることになり、
イーの暗殺計画はついに終わりを告げます。
最終盤、処刑場でのチアチーの表情に悔恨の跡は全く窺えない。
真実の愛を知って男を自ら救い、その想いを貫き通した自負
からであろうか。一方、イーはチアチーとの思い出が残るベッドに
所在なく腰かける。その瞳は涙に濡れ、与えられた真の愛情に
応えられずそれに値しない自分を強く苛め責めているかのよう
にも見える。
前作「ブロークバック・マウンテン」同様、アン・リー監督が紡ぐ
この物語もまた、誰ひとり幸せにならなかった。しかし私たちは、
必死につかまえようとするとすぐ消えてしまう幻のような、
ひとつの真実の愛のかたちを、確かに見た。
さて明日土曜は朝2時間、午後4時間ダブルス練習、日曜は来週の
10Kレースに向けて走り込む予定です。
それでは、おやすみなさいzz...