2007年08月14日
不完全なふたり
こんばんは。夏休み中で、ゆっくりしています。。
毎年、旅行や帰省で、夏休みは東京にいないことが多いので、
少し新鮮ですね。人がかなり少ない感じです。
昨日は妻も休みだったので、朝の空いている電車に乗って、
新宿武蔵野館のモーニングショー「不完全なふたり」を観て
きました。諏訪敦彦監督の作品は初めて観ましたが、すごい
です!次回も必ず観たいと思いました。
日本人スタッフによってフランスで、フランス人俳優を使って
撮影されたこの作品、結婚後15年を経て、とうとう離婚を決意
した夫婦が知人の結婚式出席のため、住まいのあるリスボンから
パリの質素なホテルに滞在し、友人たちと旧交を温めながら、客室や
レストラン、パーティーの会場で、危機に陥ったふたりの湿った
対話をじっくりと見せるという展開です。
諏訪監督の特徴的な長回しは、現実感を強く意識させて緊張感を
持続させるし、現場で俳優に即興演技させるスタイルは、
リアリティーの強い言葉と、気詰まりな沈黙を生々しく表現していて
脱帽です。なんでも当初は、A4用紙で3枚程度のプロットしか
ないまま撮影開始したそう。原題は"un couple parfait"
「完璧なカップル」となっているのは、そんな男女などあり得ない
という皮肉でしょうか。
劇中で主演女性が発したこの一言が特に印象的です。
「私たち、いったい何をしてきたの? 何をしてこなかったの?」
また最後のシーン、地方列車の発着駅モンパルナス駅舎は鉄骨
むき出しの天井部分が美しいのですが、女性の両親が住むボルドーに
帰るという別れの場面で、男が発した台詞もまた秀逸。
「あっちでは迎えに誰か来てくれるの?」
「いつリスボンに帰ってくる?」
結局、女はボルドーには戻らず、また現状のまま・・。
別れを現実のものとして意識することでしか、私たちは歩み寄れ
ないのかなー。相手を理解する努力とあきらめ。動けばうごくほど
互いのズレは強調され、修復不可能に思えてしまいます。
控えめな演出と音声によって、逆にたくさんの繊細な問いを
投げかけてくれる、すばらしい作品でした。
映画館を出たあと、カレーが食べたいねーということで、
有名な新宿中村屋さんに行って、カレーバイキング。
この話はちょっと面白いのでまたあとで!では~
毎年、旅行や帰省で、夏休みは東京にいないことが多いので、
少し新鮮ですね。人がかなり少ない感じです。
昨日は妻も休みだったので、朝の空いている電車に乗って、
新宿武蔵野館のモーニングショー「不完全なふたり」を観て
きました。諏訪敦彦監督の作品は初めて観ましたが、すごい
です!次回も必ず観たいと思いました。
日本人スタッフによってフランスで、フランス人俳優を使って
撮影されたこの作品、結婚後15年を経て、とうとう離婚を決意
した夫婦が知人の結婚式出席のため、住まいのあるリスボンから
パリの質素なホテルに滞在し、友人たちと旧交を温めながら、客室や
レストラン、パーティーの会場で、危機に陥ったふたりの湿った
対話をじっくりと見せるという展開です。
諏訪監督の特徴的な長回しは、現実感を強く意識させて緊張感を
持続させるし、現場で俳優に即興演技させるスタイルは、
リアリティーの強い言葉と、気詰まりな沈黙を生々しく表現していて
脱帽です。なんでも当初は、A4用紙で3枚程度のプロットしか
ないまま撮影開始したそう。原題は"un couple parfait"
「完璧なカップル」となっているのは、そんな男女などあり得ない
という皮肉でしょうか。
劇中で主演女性が発したこの一言が特に印象的です。
「私たち、いったい何をしてきたの? 何をしてこなかったの?」
また最後のシーン、地方列車の発着駅モンパルナス駅舎は鉄骨
むき出しの天井部分が美しいのですが、女性の両親が住むボルドーに
帰るという別れの場面で、男が発した台詞もまた秀逸。
「あっちでは迎えに誰か来てくれるの?」
「いつリスボンに帰ってくる?」
結局、女はボルドーには戻らず、また現状のまま・・。
別れを現実のものとして意識することでしか、私たちは歩み寄れ
ないのかなー。相手を理解する努力とあきらめ。動けばうごくほど
互いのズレは強調され、修復不可能に思えてしまいます。
控えめな演出と音声によって、逆にたくさんの繊細な問いを
投げかけてくれる、すばらしい作品でした。
映画館を出たあと、カレーが食べたいねーということで、
有名な新宿中村屋さんに行って、カレーバイキング。
この話はちょっと面白いのでまたあとで!では~